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生きること、カレーをつくること

最近ハマっていること。

カレールーと水を使わない本格カレーを作ること。

スパイスから作るカレーを作り始めて3回目、自分の中で史上最高に美味しいカレーが出来上がった。

とにかく自分好みドストライクの絶品カレーを作りたくて、いくつかマイルールを決めた。

材料は野菜とスパイス、その他調味料。
無水、砂糖は使わない、コッテリ重い感じをあまり出したくなかったため動物性食材もなるべく使わない。

市販のルーを使ったカレーもお手軽で良いが、
スパイスから作るカレーは全く別物の良さがある。

使った食材は以下の通り。

◯野菜類
・にんにく、しょうが
・玉ねぎ6個
・にんじん5本
・ピーマン3個
・ナス3本
・ビーツ1個
・セロリ
・トマト5個
・しめじ2パック、まいたけ1パック
・牛すじ150gほど

◯調味類
・コリアンダー
・クミン
・ハバネロ
・ガラムマサラ
・ターメリック
・ジンジャーパウダー
・塩コショウ
・黒酢
・酒粕
・椎茸パウダー
・カカオパウダー(ピュアココア) 
・米麹
・ブルーベリー酢(砂糖不使用)
・米ぬか
・乾燥豆
・なつめやし
・クコの実
・合わせ味噌
・白味噌

油はオリーブオイル。

野菜とスパイスがメインだとどうしてもあっさりしがちで、カレー特有の旨みが欲しくなる。

動物性の食材や砂糖を使わなくても
コク・甘み・旨み・深みをカバーできる調味料や材料を思いつく限り入れた。

スパイスから作るカレーは、とにかくたくさんの種類の材料を入れるほど旨みが増すだろうという策略のもと。

辛めが好みのためハバネロを多めに入れたため、
味見時点では相当辛めの炒め煮野菜、カレー風味といったところだった。

うーん、これでは本当にスパイスと野菜の味しかしない、コクも旨みも全くないカレーを美味しくできる調味料は。。

まずコクと深みを出すためにカカオパウダー、黒酢、味噌を入れた。調和したパンチを足してくれるだろうという意図は良く働いたと思う。

最初の時点で玉ねぎをよく炒めたものの、やはり甘味が足りない。
何か果物を入れたい、と思い、手作りのブルーベリー酢を入れた。さっぱりとした甘み、これも適任だっただろう。

実際、出来上がってすぐの味見と、1日目のカレーは、
スパイスの辛さが際立つ、さっぱりめのカレーという感じで、至って普通の味だった。
家族も、うん、辛いけどいい味だね。くらいの反応。

しかし、2日目以降に驚くほど美味しいカレーになっていた。
めちゃくちゃ美味しくなってるね!と家族も言ってくれた。

なるほど、こういうことだ。

ピンときた。

何を入れたら美味しくなるか、
それが他のものと合わさってどう味が変化するか、
その時点、またはすぐにはわからない。

このコクは黒酢なのか、味噌なのか、カカオなのか。
この甘味はブルーベリーなのか、玉ねぎなのか。

そもそもお酢なんか入れてもそんな変わんないんじゃない?とか、入れるとしても1種類でいいんじゃないとか、
実際のところは効き目はわからない。

具体的にどの野菜が、どの調味料がどう活きているかは分からないけど、とにかくすごく美味しい。

同じものをまた作れと言われても全く同じものはできないかもしれない。

時間が経って、馴染み始めて、じわじわとその味わいが分かってくる。
上手く行くかも分からず、でもそれを信じて進むこと。

ああ、これで良かったんだと。

人生と全く同じだ。

一見必要ない、役になんて立たないと思われる経験が、
鋭いスパイスになって、自分の人生の旨みとなるだろう。
歯を食いしばるしかない我慢から逃げていいこともあるし、たとえ踏ん張っても、そこから違う道に進んでも、きっと得られるものは違って、間違いなくどちらも自分の経験になる。

その材料を入れて美味しくなるかなんて、
そもそも本当に必要なものかなんて、それは分からない。

でもスパイスを、材料を足すほど複雑な味になって、ゆくえ旨味になっていく。
ますます再現不可能な、唯一無二の深みカレーが出来上がる。

表面的には無関係に見えるものが
化学反応を起こしてある日ピンとひらめきを与えてくれる。

なんでこんなことをしているんだろうか。
この遠回りは、寄り道は意味があるんだろうか。
これは、自分の人生に本当にこれは必要なことなのだろうか。

と思うことがあるかもしれない。
私は常に思う。

遠回りをしてばっかで、自分がどこに向かってるかもわからない。

そんな時は、このカレーを作った時の心情を
それを食べた時のなんとも言えない感動と、人生の気づきを思い返す。

これだからつくるのはやめられない。

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