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約束と予感
写真は過去を向いている。
特定の時間をそこにとどめるものである限り当たり前の話だ。
ところで、「過去を振り返る」というが過去は本当に後ろにあるものなのか。実は過去は後ろでなく前にあり、未来こそ後ろにある。
だからといってそこに見える過去に拘っていては未来はいつまで経っても後ろにしかない。
写真を撮ることはいったいどこを向いているのか。少なくとも目の前の出来事にどう向き合うか、あるいはどう選択するかというのは事実である。あるいはカメラがあるから予感に鋭くなる、それを写真という形でまだ見ぬ誰かと約束する。
過去と未来が心を動かす。
過去を思い出すための写真。あるいは忘れるための写真。
未来に約束を託すための写真。ある約束が次の予感を呼び起こす。
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