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白衣の天使に出逢う…そして白衣の天使をめざすことを決心!!
前回の仮病で「虫垂炎」と診断されて手術をしたわけですが…この入院は私の人生を大きく変えました。
高校は家から近い公立という理由で親が小学生の時から決めていました。なので高校は親の思う通りに進学しました。
それなりに友達も好きな人もいて楽しんでいたとは思いますが、「何かが足りない」そんな風に思っていました。
そんな中で訪れた運命の日が松田聖子さんの結婚式=盲腸炎の手術日でした。
手術が決まり、心電図をとることになりました。
看護師さんが2人来ました。(今から考えると2人必要?)
Aさん:今から手術だと終わるの何時?
Bさん:7時半(19時半)は過ぎるんじゃない?
Aさん:よね~
心の中で「ごめんなさい!私の仮病で迷惑かけます!」と言ってました。それと同時に看護師さんの声はこんなにもハッキリ聞こえるのだと思いました。
今は盲腸炎で剃毛はありませんが、その時は剃毛がありました。
担当してくれた看護師さんはとても優しい人で声かけもしっかりしてくれました。そして、剃毛の処置中に医師が「準備できた?」とカーテンを開こうとした時、「まだです!!」と懸命にカーテンを押さえてくれました。
この看護師さん、優しい…こんな人になりたいなと朧げに思いました。
手術当日の夜は伯母が付き添ってくれました。
母は父と弟の世話に新聞配達もあるので、伯母が変わってくれたようです。
独りでも良いのに…と思っていた矢先、下半身麻酔の影響で排尿障害に苦しみます。
看護師さんから「おしっこの管入れてみましょうか?」と言われます。
おしっこの管!?…何ですか、それは!?
不安と恐怖しかありません。
私はうっすら涙しました。恐怖と後悔の涙…。
看護師さんに「もう少し頑張ります。」と小声で答えました。
しばらくするとさっき看護師さんより年上の看護師さん(たぶん主任さん?)が来てくれました。
「痛くない?」と私に聴きながら、お腹をそっとさすってくれました。
手術傷は麻酔が効いているせいか痛みはあまり感じませんでした。しかし残尿感でお腹が張った感じは痛みとは違う苦痛がありました。
「痛みないけど…おしっこが出ないです。」と言う私に「お腹が張ってるわね、おしっこが出ないのはつらいよね。」と言いながらその間ずっとお腹をさすってくれました。
お腹をさすってもらっているだけなのに、先程抱いた恐怖や不安は軽減していました。看護師さんの手はとても温かく優しかったです。
次に看護師さんは水の音を聞かせてくれました。お水の音をきくと少し出そうな気になりましたが、結局出ませんでした。
その後、「ゆっくり立ってなら出るかな?やってみようか。」と身体を支えベッドサイドに立たせてくれました。そしてやっと排尿することができました。
ベッドの上で排尿する難しさを身をもって知りました。そして、排尿を促す方法も…。
はじめに来た看護師さんの尿管を入れることは短時間で確実に排尿を促す方法です。しかし、患者さんの苦痛を最小限にする排泄介助の方法はいろいろあります。
私は患者経験を重ねるなかで、理想の看護師像を徐々に作りあげていきます。
『患者の立場で考えられる、優しくいつも笑顔でいる看護師になりたい!!』
退院する頃には「私は白衣の天使になる!!」と決心しました!
退院後、看護師になるための情報収集を始め担任に「看護師になりたいです」と伝えました。
それからは高校生活が楽しくなりました。
足りなかったものは将来の夢(目標)だったのです。