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ドイツ研修 滞在記 その1(2019年7月)

 こんにちは。あんころモッチモチです。
 今回の投稿では、転職して2社目のドイツの外資系企業で働き始めて一ヶ月後、ドイツ本社で研修したときのことを書こうと思います。
 とりあえずその1です。

ドイツでの滞在先

ホストハウスまで自力で向かう

 フランクフルト国際空港に到着後、誰かが迎えに来てくれるといったことはなく、自分の足でバスやら鉄道やらを乗り継いで滞在先に向かいました。今こうやって書いてみると25歳の私、ようやっとる。
 滞在先はフランクフルトから140kmくらい離れたキレイな田舎街。着いた時間はもう夜でしたが、ホストファミリーの中年夫婦が暖かく迎えてくれました。
 と言っても食事が用意されているなんて待遇ではありませんでしたので、あらかじめ駅のキオスク(コンビニみたいな小さい店舗)で買ったパンを食べてその日は休みました。

 ここでドイツぷち情報。ご存知の方も多いかと思いますが、ドイツの平日の夜ご飯は火を使わないとても簡素なもので済まされることが多いです。チーズとハム、野菜、パンなど。これは家族との談笑に時間を多く費やすのが有意義であるという考えから来るようです。なんかいいっすよね。

韓国から研修に来ていた青年

 同じ時期に私よりも長期間の研修に来ていた韓国人がいました。渡欧前に「同じホストファミリーの家で、別の部屋で一つ屋根の下暮らす」ということを知らされていた私は彼へのお土産にサトウのごはんを買って行ってあげた記憶があります。今思うともっと色々あるだろ・・・。
 私より2つか3つ年上だったと思いますが、研修期間中に同じことを学ぶという感じではなく、彼には彼に割り当てられたカリキュラムのようなものがありました。のちにマラソン大会を一緒に走り絆が深まります。

会社まではトラムで通勤

 ホストハウスから会社までは森の中を切り開いて敷かれた路面電車(トラム)で通勤しました。このトラムから見える外の景色が実に美しく、『世界の車窓から』で見るような世界観でした。

画像は拾いものですが、本当にこんな素朴な雰囲気でした。

 日本の満員電車とは全然雰囲気が異なり、トラムでの移動は大好きだったのですが、駅の名前が全く覚えられません。かろうじて自分の降りる駅名だけは覚えられましたが、ドイツ語の単語って本当に長くて難しいですよね。

研修開始。完全にお客様扱い。

ヤパーナーが来た!

 研修初日。緊張。みんな顔の彫りが深い。
 平たい顔の私を出迎えてくれたのは所属する部門のNo.2。ユニオンジャック柄の靴下を履きこなすお洒落なドイツ人紳士でした。

 同じ年代の息子さんがいるとかで、その後もよく面倒を見てくれる滞在中のお目付け役だった彼(仮名:ユニオンジャック)は、所属チームをはじめ会社内を案内してくれながら皆に私を紹介して回ってくれました。
 韓国人の彼が既に来ていたからか、平たい顔をしていても稀有な視線を向けられることもありませんでしたが、同僚たちが英語ではなくドイツ語で話しているときの会話が耳に入ってくると「ヤパーナー(日本人)」と聞こえてきます。
 私の話をしているんだなと察するのですが、自分のことを『国籍』という属性で呼ばれている事実に感傷に浸るとともに、「今自分は異国人扱いされている」ことに若干の興奮を覚えました。

ドイツ人の英語は聞き取りやすい

 フィリピンセブ島で短期留学をした私でしたが、ビジネスの場で実践的に使用する経験がいきなりドイツの地となりました。ドイツ人の話す英語は思っていた以上に聞き取りやすく、クセがないと感じました。社内には他のEU圏の同僚もいたのですが、よっぽどフランス語なまりの混じった英語のほうが聞き取りにくかったですし、イギリス人の英語はTOEICのリスニングで聞いたそのまんまでした。TOEICは勉強する意味があります。
 また、世代間で英語スキルに隔たりがあるように感じました。若い世代の方が英語で話すことに自信を持っており、逆に年配の世代の方が抵抗がある。そんな感じです。

個性的なチームメンバーたち

 同じ部門の仲間たちを一部紹介します。

1.マラソンキャンセル界隈
・・・係長くらいのポジションの男性。組合か何かのマラソン大会に参加予定だったが、私を代打に立てて自分はキャンセルした。とても人当たりがよく、その人とその恋人と私という3人でスペインバルに行った。

2.高身長超絶イケメン
・・・顔が城田優。頭もよくて上層部からの評価も高い。筋トレしている。朝おいしそうなアボカドを塗ったパンを食べていて、「健康的だね」と言うと「ファットであることに変わりはない」とクールに返された。

3.アニメオタク女子
・・・日本のアニメが大好きだけどそれをなかなか教えてくれなかった。『文豪ストレイドッグス』の強烈なファンだというが、そのアニメについて私は全く知らないので話が合わない。日本にいつか行くという夢がある。

4.愉快な酔っ払いエンジニアおじさん達
・・・昼ご飯を一緒に食べに行ったら午後の仕事も気にせずビールを飲みだす。技術力、経験値は非常に高い。一人めちゃくちゃ話しかけてきてくれたおじさんがいて、私の恋バナを根掘り葉掘り聞かれた。

5.アメリカ人のジョン
・・・アメリカ支社から研修に来ていたジョン(本名)。めちゃくちゃデカいし、話すスピードは速すぎて聞き取れないしで近寄りがたかったのだが、ドライブに誘ってくれて一緒にフランス観光した。いい人。

6.オープンカーのイケおじ
・・・齢60近いパンツェッタ・ジローラモ風のイケおじ。メルセデスのコンバーチブルに私と韓国人の彼を乗せて隣町まで行って夕飯をおごってくれた。ただし、相当な女たらし。

7.ボス
・・・部門長。ビデオ会議で話した人。ユニオンジャックといつも一緒にいる。上に立つ者の定めなのか皆からは結構嫌われていた。後でわかったのだが、CEOの親戚らしく、ガッツリ『コネ昇進』した人だった。

やることはあまり決まっておらず・・・何をしたらいいの?

 研修と言っても内容もよくわからないままミーティングに参加したり、居合わせたエンジニアおじさんに機械について質問したり、その場その場で見て・聞いて・触って覚えてね、という感じの自由度の高いトレーニングでした。
 時には放置されることも。

 今日は誰がヤパーナーの相手する?みたいな陰口が聞こえてきそうで「完全にお客様扱い」でした。研修あるあるだと思いますが、こういう扱いが一番こちらも困ります。宙ぶらりんというか。
 組み立てでもなんでもいいから仕事させて欲しい!と思いましたが、冷静に考えるとどこの馬の骨かも分からん異国人に大事な製品の製造なんて任せられませんよね。

 やることがなくて完全に自分を見失った私は、ドイツから日本の見込み顧客にCold Call(営業電話)を国際電話でするという奇行を始めて、ボスに引かれていました。

ドイツ研修中に価値観が大きく変わる出来事が!

 前のnoteと同じ終わり方ですが、ドイツで私の人生の価値観を大きく変える出来事があります。それ引っ張るね〜。
 書く予定だったのですが、結構内容多くて入り切りませんでした。次はそのことについて書きたいと思います。

 次回ドイツ研修 滞在記 その2。
 schönes Wochenende.
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