雑談5
「新札もう見た?」
「あるよ。持ってる」
「まじで」
「結婚式あるから、ピン札に変えてきたら新札だったら」
「そっかもうピン札は全部新札になってんだ」
「分かんないけど」
「そうだよ」
「誰だっけ新渡戸稲造だっけ」
「一万円?」
「うん」
「一万円は渋沢栄一だよ」
「渋沢栄一か」
「うん。千円札が北里柴三郎」
「渋沢栄一ってどんな顔してるっけ」
「北里さんのほうが一万円っぽい顔してるつて言われてるの見た」
「あーこの顔か。へぇこんな顔してんだね。たしかに秘書っぽい感じするもんね渋沢さん」
「秘書ってねぇ」
「ぽくない」
「北里さん眼鏡だしね」
「五千円札は?」
「えー女の人でしょ」
「誰?」
「女の人」
「なんだっけ名前、津田梅子か」
「誰それ」
「津田梅子」
「ほぇえ。どういう人」
「知らん。全くわからん」
「一万円札しか持ってない?千円札は」
「まだなんよねー。貰いいこうかな」
「ね、誰かくれんかな」
「銀行だよ。両替してもらおう」
「めっちゃ多いだろうねそういう人」
「てかあんたもじゃん」
「私はピン札だから。ピン札と交換しに行ったら新札だっただけだもん」
「それ売れば一万円以上するんじゃない」
「いや無理無理無理、しないよ」
「また交換すればいいだけじゃん」
「いや違う誰も買ってくんないって」
「てかむしろ諭吉さんたくさん集めたほうがむしろレアになるんじゃね、のちのち」
「のちのちね、あー確かに。確かに!」
「これが、諭吉さん今はなんて言うか…古い…めっちゃ古くも新しくもない微妙な感じだけど」
「うん」
「価値がめっちゃ上がるんだよ。百年後に」
「分かる。聖徳太子みたいな感じでしょ?」
「めっちゃ大事に保管しとこ」
「じゃあ私は五百円玉貯めよっかな」
「いや五百円玉はまだ新しくなってないやろ」
「嘘やん。でもほら令和何年みたいな」
「発行年数?」
「うんそれ順番に集めて」
「あーいいね。待って、あれめっちゃ猫に見えた」
「どれ?」
「あれ」
「ちっちゃい子のね。全然違うやん。でもあれ好きだった」
「めっちゃ流行ってたよね」
「私通販で買ってもらってたもん」
「わかるーうわあ早いねえ時間経つの」
「早いねえ」
「名前なんだっけ」
「覚えてない」
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