出店者としてのマルシェの楽しみ
マルシェ、市、まつり(祭)、フェス、、、
当店は週末ごとにいろんなイベントに出店させていただく。
普段お店での「待ち」の営業では得られないメリットがある。
当たり前の事だが、普段お店に来ない方に会う事ができるため、
・商品やサービスのPR
・新規顧客の獲得
・実店舗への誘導し、リピーターへ
などのメリットがある。
また、出店者がたくさん集まる場なので、
・他店の情報収集
・出店者間での情報交換
・顧客に他店を紹介するのが容易(あそこのお店覗いてみて!)
・逆に容易に紹介いただける
なども出店者として嬉しいこと
さらに、出店者を塊として見せる事ができるし、大概のイベントでは出店料を徴収されるために、
・お祭り的な賑わいを演出
・スタンプラリー、くじ引き(各店で券配布)などのイベント実施
・広告宣伝費の集約による集客力の強化
・販促費の集約による催し物の強化
といった、販促が強化できるのもマルシェならではのメリット。
今まで当たり前すぎて、これらのメリットをあまり意識していなかったのだが、先日出店したイベントで、このメリットを教えてもらえた気がした。
町の空き物件を活用したイベントで、出店会場が複数点々としている。
中心的な通りに面している店舗が多かったが、当店の出店場所がそこからかなり離れていて、しかも入り組んだ細い路地に囲まれた建物。
しかも、同会場の出店者が佐賀大学の学生だけで、展示を見てもらう感じの商売っ気の無い催し。
事前に下見はしていた。
その時は、なんとなく地図で調べて、現地に行って、主催者の方とお話をして、「辺鄙な会場」だという認識はあった。
当店はそこそこの集客力がある店舗だと思っている。これが慢心になってはいけないのだが、いろんなイベントで自分の想像を超える事象が度々起きているためにそう思っている。それを活かして「客寄せパンダ」になりたいとも思っている。こういった会場だからこそむしろ、
「この辺鄙な場所にお客さんを呼ぶんだ!」
という意気込みだった。その部分はある程度達成できた。このイベントは2日間の開催で、当店の出店は2日目のみ。
当店不在の初日は快晴で、メインの通りは多くの方々で賑わった中で、出店会場への来場者は130名。
当店が出店した2日目は午前中雷雨で、午後から天気が回復。実質半日のイベントで、来場者は167名。
(佐賀大学の学生調べ)
同会場に出店していた佐賀大学の学生の引率をされている先生から「たくさんお客さんを呼んでいただいてありがとうございました」とのお言葉もいただけた。
ただ、、、
メインの会場までの距離が、私の計算に入っていなかった。
それによるデメリットも想像できていなかった。
ほとんどのお客さんから「探してやっと来れました!」とか「近所の人に聞いてやっと来れました!」という声が聞こえた。これは単純にわかりにくい場所だったのもあるかと思うが、それに加えてメインの会場から遠い事による疲労感もプラスされていたように感じた。
さらに、昼ごはん問題。
魅力的なお店がたくさん出店していたので、そこで購入するのを楽しみにしていたのだが、それらの店舗まで買いにいくのにそこそこな時間を要するし、結構な労力を使って来られたお客さんに対して、
「ちょっと買い出しに行くので、しばらくお待ちください。。」
という書置きを残して買いに行く作戦も無しだと思った。
知っている業者さんも色々来ていたし、気になる商品がたくさんあったので、買って、食べて、お話して、、っていう事もやりたかったが、できなかった。
「向こうはすごく賑わってましたよ!」とお客さんから報告を受けたりもした。賑わっているかどうかすら全く体感できなかった。
せめて、道連れの業者さんが何店舗か同会場にいたら、それで救われることもあったかもだが、マルシェに来たのに、孤独と戦う時間が多かった。
その中でも救いだったのは、そこそこお客さんに来ていただけた事。やっとたどり着いた安堵感からの笑顔に対し、労いの意を込めてぜんざいを振る舞い、「美味しかった」と言ってもらえたこと。
また、親切にしてくれた佐賀大学の学生にも救われた。私が昼ごはんを食べてない状況を見かねて、「時間があるからお昼ご飯買ってきましょうか?」なんて気の利いた言葉をかけてもらい、遠慮せずお願いさせていただいた。
そんなイベント出店でした。
今後イベントを受ける際に、今回の事を忘れないようにしたい。
イベント終了後、他の出店者さんのSNSを見ると、「楽しくかった」「参加できて良かった」などのコメントが並んでいる。正直、自分もその輪に入りたかった。
普段、普通に享受できる「出店者としてのマルシェの楽しみ」の大切さを、改めて感じさせていただいたので。。