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2024年7月9日ブランキージェットシティーがSNSに帰ってきた。

ラストダンスは私が高校生の頃の夏だったと記憶している。

夜中の番組を録画すると、ちょっとニッチなバンドのライブチケットの発売のCMが流れていて、それを見るのが好きだった。
ブランキーのLAST DANCEも御多分にもれなく、深夜に流れるCMの常連だった。

本題に戻ります。
息子さんのSNSで
「ブランキーのラストダンスを7月9日に限定公開します。」
そんな情報を知り、胸の中からなんとも言えない熱さが込み上げた。

タイムリーに情報を共有できるSNSはとても便利だ。
しかし、ロックスターには不透明さがあるから、スターたる所以と
どうしようもなく胸を焦がすような恋のような、信仰のような
音楽を神格化してしまう不思議な力があると思う。

という訳で、即座に音楽友人に連絡し、盛り上がって昨夜を迎えた。

通知を取っていたはずなのに、ふと時計に目をやると20時30分

「まずっ」と思いながら、急いでテレビをつけた。

ただ画面に映った光景はあの頃のままで
「ああ、ベンジーだ。テリーさんだ。中村たっちゃんだ。」
瞬時に私の心は10代に戻ったのだ。

ベンジーが掻き鳴らす、グレッチの繊細な音
テリーさんの正確にビートを刻みながら熱さを秘めるベース
中村達也の叩く、野生味溢れるドラミング

セットリストが進むにつれて、あの頃の記憶がまざまざと蘇るのだ

私はブランキーがロックの全てというリスナーではない。
どちらかと言えば、唯一無二なセンスの良さに惹かれ、
かつベンジーにしか作れないであろう世界観の歌詞と、「おお、その音で進行するのね」という
トレンディな「ブランキージェットシティ」という街にたまに遊びに行くのが好きな、そんなライトリスナーなのだ。
語れる程の知識は残念ながら持ち合わせていない

見ている間、「LAST DANCE」のライブCDは聴き込んでいたので
画像で見ると更に深まる、ライブ特有のグルーブに巻き込まれていくのを
自覚していった。

ガチガチに衣装を決めて挑まない
今日、家から着てきたであろう服に、楽器を携え
余計なMCも挟まない
いいとこベンジーが時折「ロックンロール」と言うくらいだ。
ただ、なんだか時間が経つにつれて悲しさは心に刺さる
彼等が奏でる音楽は、陽気に踊って楽しんで別れの感情を鈍らせるが
観客達は思い思いに、音に体を委ねるが
麻痺した体と感情を持ち合わせながら
お別れの時間が近づいて行くのだ
アンコールが終わり、最後の曲を奏で終わったベンジーは
「バイバイ。バイバイ。」そうとだけ繰り返してステージを去った。
テリーさんは寡黙に
たっちゃんは、ニカっと笑って見せて、スティックを観客席に投げ
伝説は幕を閉じたのだった。

終わった瞬間、エンドロールを見ながら安心したように一筋の涙が流れ

「私、結構ブランキーのこと結構好きだったみたい」
そんな思いを自覚した。

と言う訳でブランキージェットシティさんからのお知らせ
・サブスクで全曲解禁になります(7月28日)
・アナログ版発売しますよ(アルバムのジャケがオシャレ過ぎてしびれる)
詳しくはこちらをご覧ください。

私の好きなブランキー
「君の手のひらに」
https://www.youtube.com/watch?v=OZCX6fSymfM
この曲はベンジーが息子さんが生まれた時に作った曲だそうだ。
そんな事を知ったのはつい最近の事。
ただ、20年以上前から
なんだかブランキーぽくない歌詞のというか、愛しさと優しさしか
溢れ出ない楽曲だなと思っていました。
ベンジーも立派な人の親で、我が子の幸せを平凡に願う父なんだなぁと
ロックスターの素敵な側面を見た一曲です。

芽吹いたばかりの命と開いたばかりの手のひらにたくさんの夢と希望を見る。

でも、曲をプレゼントするなんてやっぱりかっこいいな。
なんて思うのでした。



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