装苑賞のコメント納得するのに20年かかった。
あ、今月の表紙はラウールなんだ。って思って中を覗いた。
私が学生の頃、装苑の表紙にジャニーズが起用されるなんて思わなかった。
まあ、メディアと云々の話は長くなるので割愛します。
ふと手が止まったのが装苑賞の選考ページだった。
コシノジュンコさん、ツモリチサトさん、ソマルタのデザイナーさんetc
文化服装学院が輩出した名だたるデザイナーさん達が審査員を務めていました。
かつて学生だった頃、このページを見ると、
”天才達のデザインの解釈って理解できないな”レベルの学生だったので
なんだ?これは?とまるで現実感のないページでした。
トレンドデザインをマネタイズに落とし込むという事を念頭において、MDよりの感覚を持ちながらデザインを勉強していたので、そこに慣れてしまうと
恐ろしい事に”突出した”とか”個性的”とか”新解釈”というデザインが分からなくなったのです。
しっかり商業デザイナー感覚を持ち卒業したので、なんだかこのタイミングで装苑賞の選考を見るのが新鮮でした。
それぞれのデザイナーさんの個性を反映した作品の選出。
何よりも、そう!そうだよね!と思わず批評コメントに納得してしまいました。
デザインを起こしてから生地を探して作るのではなく、デザインを描いている段階で作る生地の目星をつけておきましょう。
と、いったニュアンスのコメントを見て、そうだよね。と納得したり。
あるひとは、
このデザインだったら足元はこんな感じのデザインで、足元まで気を抜かずデザインしましょう。
とコメントしていたり
私もきっとそう批評をするな〜と思いました。
学生時代は批評コメントの内容を読み込めなかったのですが、ここに来てやっと、そこ同じ事思った。と思わず読み入ってしまいました。
装苑をこうして読む日が来るなんて思わなかったけれども、ファッションはいつの時代も自由だし、無限の可能性があるのだなと思った春でした。
感性の領域ってやっぱりAIには、処理できない分野だよな〜と思ったり。