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人生の先輩

これじゃギリわからなそうな写真を選びました。

最近 自分のnoteを振り返って思ったのが、誰かにフォーカスを当ててそれに対し自分の考えを物語に沿って綴ることが多いです。
いろんな人に出会い、その度に大事な考え方を吸収しそれをアウトプットできる。
そうやって言語化し、発信をする自分に酔っているのかもしれません。



ガイナーレ鳥取というクラブで、プロの世界に入り、その1年目で出会った先輩のおかげで人間力や思考力は格段に上昇しました。

就活やバイトの経験がある自分は、社会の常識を知っている立場であるし、そこに関して無知であることには抵抗がありました。
サッカーだけやってきたわけではないという自負があったからです。
以下就活の記事です。よかったら。

https://note.com/ankazu0715/n/n27e0e99e52e5


その先輩から影響の受けたことや言われたことを何個かあげていきたいと思います。


全員わかったら生粋の鳥取サポ

まじでこの目次見たらドライヤーしろだけはほんとに意味がわからんな。


お前サッカー全然だけど挨拶だけはいいな

その先輩とちゃんと話せるようになってから言われた言葉です。
プロ入りたての自分はサッカー面において通用するところがなく、毎日練習で怒られていました。
自分がそのレベルに達していないだけで、その怒っていること自体も全く間違っていることでも、理不尽なことでとないので受け入れるしかありませんでした。藤原拓也選手(YS横浜)選手に毎日、毎練習、毎セッション、ひたすら怒られました。怖かったです。今でも少し怖いです。

大学4年の時はブーストがかかったような感じでとても楽しく過ごしていたのに、その状況が一変し、全然通用しないことで気持ちが沈むことばっかりでした。

そんな自分はプレー面で褒められることは滅多にないので気を遣ってくれたのか、先輩は別の角度から声をかけていただきました。それが上記の言葉です。
嬉しいのか嬉しくないのか、いつも怒られている私を見て同情してくれて言ってくれるのかわかりません。
ただ自分も挨拶は大事だと思っているから「あ、ありがとうございます?」みたいな含みのあるテンション感で返答しました。
そうすると先輩は間髪入れずに「いや、まじな?」と答え、浮かない顔をしている自分を見て先輩は続けました。
「挨拶って基本やで。プロってサッカーだけやってればいいって思われがちやけど、そんなん今だけやで。プロが終わってからの人生のほうが圧倒的に長いで。せやかてそれよりも大事なものあるねんな。その一つが挨拶やねん」
聞き慣れない関西弁(誇張込み)が、やりきれない日々を過ごしていた私の心にスッと入ってきました。
思いもよらない将来のことに私は”あっ”と感嘆の声を漏らしていました。
ふと考える。言われてみればそれはそうだけど、当時の自分にサッカー以外のことを考える余裕などありませんでした。

「それに最近挨拶すらもできないやつ多いからね」
続け様に言う先輩の一言が重い。関西弁の入る間もないくらい簡単でコンパクトな日本語がより怖く感じました。
挨拶という誰でもできることすらできない人がいるおかげで、ただ挨拶するだけで褒められる世界線はとてもおいしい、今ではそう思えます。

先日たまたま、某動画サイトにて「挨拶」の是非を問うものをちょうど見たので既視感がありました。

「挨拶できない」のと「挨拶をしたくない」のは違うので比較としてはおかしいですが、根本的な挨拶の意味自体のところでは同じなのかと思います。

その先輩はまず挨拶がしっかりできているかを見ているらしいです。

父はとても挨拶を重要視します。その教えが先輩と自分を紡ぐ教育となっていたことは嬉しい限りです。

食事をご馳走されたらお礼は3回しろ

ある日、先輩と食事に行きました。
日頃からよくしてもらっていたので、特に変な緊張もせず遅刻だけはしないようにと軽い気持ちでいました。
食事を終え会計を済まし、自分は先輩にご馳走になったので「ごちそうさまでした!」と挨拶を褒められた時のようなハキハキとした声を披露し解散しました。

次の日の朝、「昨日はありがとうございました」と再度伝えたら「おう、またいこな」とあるあるのラリーをした後、事は起こりました。
鋭い目つきがさらに鋭くなったところで口が動きました。
これは怒られるなと思いました。なんでだろうと怒られる要素を考えました。でも何も思い当たりません。
「先輩にご馳走になったら普通は帰ってまたラインなりメールを入れるんだよ」
と言われました。
当初自分の感情として「え?昨日帰り際に言ったし、今も言ったじゃん」と思っていました。
そんな少し不服そうな顔はすぐにバレました。
「それが常識。普通だよ普通」
妙な落ち着きがある関西弁でなく標準語でした。
常識やで。とか普通やで。とかではありません。

大学4年時、仲の良い後輩をよくご飯に連れていきましたが一度もそんな連絡を受けたことはありませんでした。
けれどそれは自分もそうです。先輩に一報入れることをしたことがありませんでした。
プロってそういう世界なんだ。と思いました。
そこからご飯に行く機会があれば必ず連絡を入れました。

いちいち連絡だるいかもしれないけどな、言われた方を思ってみ。
こいつまたご飯連れて行ってやるかってなるやろ?
しかもみんなお前にご飯をご馳走するためにお金を稼いでいるわけじゃないからな。
考えてみればそうです。先輩が払うこの行為は社会を生きる中で当然の理だと思い過ごしてきました。
その当たり前の感覚に「待った」をかける感じ、そういった心持ち一つで見え方や見られ方はまた変わってくるものだとわかりました。

でも魚里くんにはしていません。ラインしてもシカトされるからです。
こうきくんいつもありがとうございます。

ドライヤーしろ

シャワーを浴びて昼食をクラブハウス内でとろうと思っていた時、その時たまたま髪の毛を乾かすのがめんどくさかったのでそのまま会場に向かいました。
先輩は先にそこに居て、自分が入るやいなや「髪の毛濡れてるよ?」と言われました。
「あ、はい笑」と苦笑いしました。
そうしたら「まあ今回はええけど次からはドライヤーしてからこいよ」と真顔で言われました。
すっきりしない自分は一応理由を尋ねました。
「社会人として当然。当たり前のことだから」
とだけ言われました。思った回答とは違った回答でした。
まだ若かった自分は何かドライヤーをしなくてもいい理由を探し続けました。
クラブハウス内で完結しているし、チーム関係者以外の誰にも見られない。そして何より誰にも迷惑をかけていない。よってそこまで強く言われる必要はない!頭の中でそう整理しました。
それでもやはり気になったので本当の理由とやらを聞きにいきました。
わざわざ説明することでもないという前提を置きながらも答えてくれました。
「クラブハウスにはいろんな人がいて、選手や監督、スタッフだけで構成されているわけではない。その中で働くフロントのスタッフやアカデミースタッフなどいろんな方々がいる。そういった人がその姿見たらどう思う?外でバレなければいいとかじゃなくてもそういった身近な人も意外に見てる人はいるからね。応援されるってそういうところも含まれてるんだよ」

そこでいかに自分のことしか考えていないことかを痛感しました。

単に髪の毛が濡れているという一例を上げたに過ぎませんが、本当にいつどこで誰が見ているかわかりません
外部の方やスポンサーの方が会議や営業をするためにクラブハウスに来る可能性もあります。そんな時にクラブの顔である選手の身だしなみが整っていないとなったら応援しようと思う気持ちは減少してしまうことでしょう。
今ではそういった細かい一つ一つのところにも目を配れるようになったかなと思います。

今になって思うこと

今回は3つのエピソードを挙げました。
その全てに共通するのが、「結局損するのはお前だよ」or「これをすればお前はもっと良くなるよ」ということが文末につけられていたのだと思います。
そんなことは実際に言われていませんが、そのメッセージだと受け取っています。あえて言っていない、言わない、ことが良くてもし言っていたとしたら一気に胡散臭さと言うか自分都合感が強く出てきます。

先輩から教えてもらったことで、もしかすると得はそこまで多くないかもしれません。しかしそれらのことを理解できないことによる機会喪失、損失は確実に多いと思います。

自分自身も、若手にもそういったことを伝えていきたいと思うことが多くありますが、その一方でサッカー選手はあくまで”個人事業主”という一面もあります。
各々が社長であり、他人にそこまでとやかく言われる筋合いは無いと言われればそれで話は終了してしまいます。何も間違っておらず、干渉すべき問題ではないことは間違いありません。
聞き入れてもらえない時もたまにあります。
その件に関して先輩に一度相談したことがあります。「舐められ過ぎている自分が悪いんですが」と前置きしつつ言った時、先輩はあっさりこんなふうに答えました。「所詮他人だからそんなん気にしなくていい。カズが言ったようなこともわからない、できないやつはわかる時まで待つしかないから」
いつも感情ベースで話す先輩がその時だけ、どこかの記事を読むような淡々とした口調がスマホ越しに伝わってきたのを思い返します。

最後に

先輩に言われたことをすぐに実践する、改善することをしていた自負があったのでいろんなことを教えてもらえたことがあると思います。

先輩の結婚式が去年の年末にあり、そこでnote書きます!って先輩に対し、声たからがに宣言したのですが、推敲に推敲を重ね1年弱たった今やっと投稿できました!
上松チルドレン(魚里、安藤、田口)の一味としてこれからも頑張っていこうと思えた長野の寒い夜でした。

エモい


4000字オーバーでした。
ここまでついてこれた方ありがとうございました。みんなちゃんとドライヤーはしようね。


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