おばちゃん、派遣の顔合わせに挑むその2～アラカンの再就職その39

何年ぶりだろう？いや軽く何十年ぶり？という派遣の顔合わせの席についたおばちゃん。

派遣先の上司となる方のオーラがすごすぎて、、、。一応マスクをすることとなっていたこともあり、目元しか見えないが、全くもって笑っていない（と、おばちゃんには見えた）。服装も、たぶん、この時間まで外で会議が打ち合わせだっただろう、と思われる勝負スーツのイメージさえあって、もう、これだけで圧迫面接に近い。

簡単な挨拶を営業さんが仕切り、「では、あんからさん、自己紹介をお願いできますか？」となった。

派遣の自己紹介は名前程度。あとはもっぱら先方にも渡っているスキルシートに沿って、こちらで業務内容や経験等を少し膨らませた内容を口頭でお話する感じ。まずは一方的にお話して終わりだ。その後、先方からの質問となったが、「今〇時からとして掲載しているのですが、業務上〇時に出社を変えていただくことはできますか？」が一つ目だった。一瞬、営業さんを見てしまったおばちゃん。営業さんもおばちゃんを見ていた。初めてきかされた感じ。「〇時出社で問題ございません。」とおばちゃん。「でしたら、それで変更いただきたいのですが、Ｅ社さんのほうは大丈夫ですか？」と。「弊社も問題ございませんので変更手続きをとらせていただきます。」。

たしかに、ここで「無理です。」と言ったら派遣先は別の人を探すことになるのだろう。一番気がかりはそこか、という感じだ。おばちゃんがどうの、ではないのだな。この仕事をこなせる人が欲しいだけ、というのはわかっているが、この面接けっこう重いぞ、と思いながら座っていた。

もう一人の派遣先の社員さんが「メールでの顧客とのやりとりはどのくらい発生していましたか？」ときた。前職は極力メールは出したくなかったからな、、、それでも「前職では日に１～２通です。その前は、システムを介してですが、日に問い合わせは５通前後でした。」ホントかな？ちょっともったかな？いや、システムから発出するテンプレメールなら30通くらいは出していたし。まあ、いいや。

派遣先からあまり質問がないので「あんからさんから質問はありますか？」となってしまった。と、いうか仕事内容はわかっているし、、、ならば「１日に何件くらいやりとりが発生しますか？」だ。まちまちなのはわかっているし、申し訳ない！とい思いつつも。「5～20件くらいですね。内容もいろいろで、かんたんなものから時間かかるまであるので。」ありきたりな回答だ。「そうですよね。今も電話して名乗っただけで電話切られてしまうこともありますし、30分以上営業かけることもありますし。」わかっているから質問することもないが、間がもたないぞ、これ。

そんな業務に関する質問を２つ３つして「やはり業界用語がとびかっているのでしょうか？」と質問してみた。派遣先担当のふたりが見合せてしまった。ボス側が「業界用語ですよね（笑）ここでの共通語のようなものはあるかなと思います。」「お話していて理解できますか？」「こちらも気を付けるようにはしますが、普段使っていると業界用語であることを忘れているかもですね。」「わからない言葉があればきいていただければかみ砕いて説明しますので安心してください。」こんな質問しかできなくてすみません、営業さん。

「特になければ本日はこれで」と営業さんがしめに入った。え、顔合わせって執務室は見せてみらえないの？これ、落ちたフラグ？

深々とお辞儀をして顔合わせの会議室を出た。営業さんが「少し時間大丈夫ですか？」と。今日の反省会だな、待ち合わせ場所にいったん戻った。

「お疲れさまでした。」「ありがとうございました。いや～緊張しました。手汗がすごいです（笑）」とおばちゃん。「緊張してました？全然そんなふうには見えませんでしたが。」お世辞でもありがとう。「正直ちょっとこわかったです（笑）」いちおう（笑）という感じで言った。「普段はあんな感じではない方なんですが、、、」と言われると、来たのがおばちゃんで構えられてしまったのだろうか？「あんからさんの質問のあと、がらっと空気が変わりましたね。柔らかくなりました。」そうなんだ。こっちは必死だから気が付かなかったけど。

「わたしは一度先方に戻るので、あんからさんはご帰宅ください。結果につきましてはあらためてご連絡いたします。」「ありがとうございました。皆様によろしくお伝えください。」と言って、顔合わせを終了した。

なんか甘いものが飲みたい、、、タリーズでも寄るか、、、と思いもしたが、明日も通常通り仕事あるしなあ、とまっすぐ帰るおばちゃんであった。

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