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ペットとの深い絆を築く方法(1)【アニマル・コミュニケーションの解説】ペット・ウェルビーイングへの道

ペット・ウェルビーイング

ANKケアラーがお話しする《ペット・ウェルビーイングへの新たな道》、今回は《ペットとの深い絆を築く方法》ということで、《アニマル・コミュニケーションの解説》についてお話しさせていただきます。
何か一つでも、ペットとの暮らしを豊かにするヒントとしていただけたなら幸いです。


アニマル・コミュニケーションとは?

アニマル・コミュニケーションは、動物と人間が感覚的なつながりを通じてコミュニケーションを取る方法です。これは、動物の行動や感情を理解し、ペットの気持ちや考えを読み取ることを目的としています。これにより、ペットの問題行動の原因や健康状態、感情などを把握し、適切な対応を取ることができます。

実はみんな使っている!

アニマル・コミュニケーションは特殊な能力のように思われがちですが、自分のペットや、時には人間の赤ちゃんで例えて考えてみて下さい。
「お腹空いたの?」「お散歩いきたいの?」「この人のことが好きなんだね」「これ嫌いなんだね」など、普通に話しかけたりしていませんか?
この「なんとなくそう言っている気がする」を意識的に解したものがアニマル・コミュニケーションだと捉えてみると、多くの方が普通にそのスキルを使っていることが分かります。

視点の探求

何をどのように見るかを抑えることができれば、誰でもアニマル・コミュニケーションを行うことが可能です。以下に、主なアニマル・コミュニケーションを行うための視点を紹介します。

1. 行動観察
声を使わずにコミュニケーションを取る方法を、「ノンバーバル・コミュニケーション」と呼びます。動物行動学の分野では、動物のボディランゲージ、鳴き声、姿勢、行動パターンなどが、どのような感情表現になっているのか詳しく研究されています。

◎例◎
犬のしっぽは、感情がどうなっているかを表現してくれます。しっぽを高く振る場合は喜びや興奮を示し、丸めるように股の間に収まっている場合は恐れや怒りを示すことがあります。

2. 認知能力
動物の認知能力に関する知識をアップデートしましょう。例えば、犬や猫は飼い主の感情を読み取る能力があることが既に知られています。

◎例◎
イギリスのリンカーン大学で行われた研究では、犬が人間の顔の表情を読み取り、喜びや怒りを感じ取ることができるとされています。このように、動物はノンバーバル・コミュニケーションを用いるからこそ、私たちの表情や声色、速度、態度などを私たち以上に敏感に観察し、分析していることを十分理解して接しましょう。

3. 共感とミラーニューロン
共感やミラーニューロンの働きが、動物との感情的なつながりを理解するのに役立ちます。ミラーニューロンは他者の行動や感情を理解するための神経細胞で、人間や一部の動物に存在します。

◎例◎
ミラーニューロンの働きにより、犬が飼い主の感情を感じ取り、その感情に同調することが可能になります。飼い主が悲しんでいるときに犬が寄り添ってくるのは、この共感の現れです。その逆に、私たちが他の動物に対して共感を覚えることも起こります。そして、私たちはそれらの共感に対して、言語を用いたコミュニケーションを取ります。これが、アニマル・コミュニケーションとなります。

4. トレーニングとコミュニケーション
正の強化(ポジティブ・リインフォースメント)を用いるトレーニングを行うことで、動物に新しい行動を教えたり、問題行動を修正したりすることが可能です。動物にとって、その一貫したトレーニングが、葛藤やフラストレーションを感じる場面が多く発生します。これらのシーンをどのようにコミュニケート(意思の疎通)していくかが、お互いのコミュニケーションをより明確にしていくポイントとなります。

◎例◎
犬が「おすわり」のコマンドに従うようにトレーニングされる場合、成功したときに褒め言葉やおやつを与えることで、その行動が強化されます。しかし、犬がやらなかった場合、飼い主はその犬が「やりたくない」のか「できない」のかをしっかり汲み取り、コミュニケートする必要があります。お互いの意識に整合性を持たせることで、「分からないふり」「聞こえないふり」「できないふり」といった問題行動を防ぐことができます。

具体的なアプローチ

アニマル・コミュニケーションの具体的なアプローチには、以下の4つの方法があります。

1. 行動観察と記録
ペットの行動を詳細に観察し、日々の行動パターンや行動のトリガーを記録します。そうすることで、「散歩に行きたいから」→「なぜ散歩に行きたいのか?」のように、行動の原因を理解していくことができます。

2. トレーニング計画の立案
行動観察の結果に基づいて、ペットに適切な行動を教えるためのトレーニング計画を立てます。ポジティブ・リインフォースメント(正の強化)を用いて、望ましい行動を強化します。

3. 気持ちのコミュニケート
観察して行動原理を理解することが出来たら、それらの情報を元に改めて気持ちを通わせていきます。
具体的な方法は、以下の2つの記事をご覧ください。

4. 飼い主の成長
飼い主がペットの行動や感情を理解し、適切に対応できるような学習をしていきましょう。これにより、ペットとのコミュニケーションが円滑になり、飼い主も一人の専門家としてペットに接することができるようになります。

アニマル・コミュニケーションのすすめ

アニマル・コミュニケーションは、ペットとの深い絆を築くための重要な手段です。動物行動学や認知科学などの分野での理解が、ペットとのより良いコミュニケーションを支える基盤となっています。これにより、ペットの健康と幸福を向上させ、飼い主との深い絆を築くことが可能となります。

また、アニマル・コミュニケーションのスキルによっては、ペットの不可解な問題行動や、健康状態を察知することができるようになるでしょう。
アニマル・コミュニケーションに興味がある方は、このようなアプローチを取り入れて、より理解を深めてみてはいかがでしょうか。

ANKでは、これからもペットに役立つ情報をお届けしていきます。お楽しみに!

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