声優志望/ナレーター志望のための緊張対策【声優養成所講師が解説】
どうも、福原安祥です。
ナレーターをしたり、声優養成所の講師をしたり、会社の経営をしたりしています。
今回のテーマは『緊張』です!
声優とかナレーターの仕事って、毎回緊張と隣り合わせなんです。
プロになったらミスれません。
みんな「1回でも大きなミスをしてしまったら、次から呼ばれなくなるんじゃないか…」っていう恐怖と戦ってます。
新人声優さんならなおさらですよね。
「いまから成りあがるぞ!」ってときにミスをしてしまうと、せっかくのチャンスを棒に振るんじゃないかっていう不安があると思います。
仕事の前日から不安でいっぱいになって、それで緊張しちゃう…。
声優養成所生の場合は、毎回のレッスンで緊張しちゃう方も多いと思います。人前で何かをすることに慣れてない人が多いので当たり前です。
それなのに、声優養成所に入ったとたんに「人前で演技をしろ」と言われるわけなので、緊張しないほうが難しい。
今回は、そういった緊張との向き合い方について解説していきます!
緊張としっかり向き合って、緊張を乗り越えた先のことを覚えちゃえば、演技がもっと楽しくなりますよ!
動画で見たい方はこちらをどうぞ。
あんじょーメソッド(YouTubeチャンネル)
声優志望/ナレーター志望のための緊張対策
まず、緊張の前提条件について知っておいてほしいです。
僕のツイートを見てください。
「緊張して力が出せなかった…」っていう人、いますよね。
声優養成所生からもけっこう聞きますし、もしかしたらあなたも言ったことがあるかもしれません。。
ちなみに僕は言ったことがあります!つらい。
ツイートでも書いたとおり、本番では70%の力しか出せません!これはプロでも一緒です。
プロでも、家で練習してる状態が100%だとすると、現場では70%の力しか出せません。
なんでかというと、本番はいろんな人に見られているからです。自分の演技・ナレーションをチェックされているわけですね。
こうなると、「褒められたい」とか「ミスれない」とか「うまくいかなかったらどうしよう」という雑念が、誰にでも湧いてきます。
この雑念のせいで、クオリティが落ちちゃうんです。
ホントに覚えておいてほしいんですけど、「家でやったらうまくやれるんです…」っていうのはみんな一緒!俺も一緒!
みんな家でやるときが一番うまいんです。
本番で70%の力しか出せないっていうことは、逆にいえば「70%の力があなたの力」ってことですね!
なので、あなたの70%の力でお金をもらえる力がなければ、プロにはなれないってことです。
実力の70%が限界値
もう一つ覚えておいてほしいことがあります。
さっきから「70%の力しか出せない」って言ってますけど、これってMAXが70%なんですよ!
なので、緊張への対策をまったくしていなければ、70%以下になることだってありえるわけですね。
本番で30%の力しか出せない、50%の力しか出せないってことは全然ありえるわけです。
そういう人たちが口をそろえて「緊張して力が発揮できませんでした」って言うんですよね。。
違うんですよ!緊張の対策をしとけっつー話なんです!
…というわけで、ここまでで緊張の前提条件を知ってもらえたと思うので、ここからは「緊張対策」についてお話ししていきます。
声優志望/ナレーター志望の緊張対策のポイント!
ポイントは3つあります。
緊張対策①事前準備
まず1つ目のポイントは…「事前準備」です!
これめちゃくちゃ当たり前なんですけど、できてない人が多いんですよ…。
声優養成所生ならレッスンの準備、新人声優さんなら現場の準備ですけど、やってない人がけっこういるんですよね。。
Twitterとかで時々見かけるのは、「明日、声優養成所の自己PRだ!ヤバい!なにも考えてない!」みたいなやつ…問題外でございます!
事前準備が適当な人が結果を出せるはずがありません。
確実に爆死です!
「これでもか」っていうくらい準備をすると、「これだけやったから大丈夫だ」っていう自信や安心感が生まれます。
これによって、かなり緊張が緩和されるんです。
逆に事前準備を適当にしちゃった人は、本番前も本番中も、ずっと不安でいっぱいになっちゃうので確実に爆死です。
シミュレーションも大事
セリフや自己PRの内容の面に対しての準備はもちろんですが…それ以外には「シミュレーション」が大事です。
翌日のことに対して、「こういう質問がきたら、こう返そう」とか、「こういうダメ出しがきたら、こういうふうに演技を変化させよう」というようなシミュレーションをしましょう。
これを何通りもしておくことが非常に大事なんですね。いくつもパターンを繰り返すことで、スゴく心が楽になります。
声優養成所のレッスンに関しては、『声優養成所のレッスンの事前準備はなにをすべき?』っていうテーマで、過去に解説しています。声優養成所生の方は、そちらも時間があるときにチェックしてみてくださいね!
緊張対策②緊張をチャンスだと思え
ただし!いくら準備していても…本番は絶対に緊張します。大事な場面であればあるほど緊張します。誰でもそうです。
そこでポイントの2つ目「緊張をチャンスだと思え」です!
人間の体のパフォーマンスって、一定の緊張感がないと高まらないんですよ。
これは表現でも同じで、緊張が高まる、つまり緊張しているほうが、いい演技が生まれやすいんです。
でも緊張したままだと、もちろんいい表現はできません。
では、「いい表現・いいパフォーマンス」をするために必要なものはなんだと思いますか?
答えは…
「集中力」です!
スポーツでも一緒ですが、集中できてないと結果を残すことはできません。スポーツの場合は「ゾーン」って言ったりもします。
つまり、「緊張」と「集中力」は、どっちも存在しなきゃいけないんです!
緊張の先に集中力があるので、緊張を乗り越えると集中力が高まるんですよ。これは科学的にもわかってることです。
だから「緊張はチャンス」なんですね。集中できるチャンスです。
本番前に緊張した場合は「よし、集中する準備はできてる」って考えましょう。
120%の力が出ることもあるが…
ちなみに、集中したときっていうのは、スポーツ選手のゾーンと同じで、120%の力が出せることもあります。
ただ、これはめったにありません。。
特に声優の場合はマイクワーク(スタジオでマイクの前に立ったり離れたりすること)があるので、絶対に冷静になる瞬間があるんです。
なので、ゾーンに入りっぱなしの状態になるのはなかなか難しい。あんまり期待しないようにしてください。
特に新人の頃の場合は緊張のほうが勝ってしまうので、「緊張したときは集中できるチャンス!」って思うクセをつけるといいですね。
「ピンチはチャンス」っていう発想はベタなんですけど、いろんなところで役に立つので覚えておいてくださいね!
緊張対策③ルーティン
続いて、緊張対策3つ目は…「ルーティン」です!
ルーティンを作ることで、平常心に近い状態で本番に臨むことができます。
ルーティンがどういうものかというと、スゴく簡単にいうと「自然にやってる習慣」のことです。
ではここで質問です!
あなたはスマホをどっちの手で持ちますか?
「右か左」のどちらか、すぐ答えられると思います。
スマホを持つときや文字を打つときに、「よし、いまからこっちの手でスマホに触るぞ」っていちいち思いませんよね。無意識だと思います。
これって「スマホは左 or 右の手で持つ」っていうことが「ルーティン」になっていて、自然にできている習慣ってことなんですよ。
緊張を和らげるために、このルーティンが使えます。
たとえば、読む前のルーティンを決めておくことで「よし、いつもどおりにやれるぞ」って思えるわけです。
ルーティン化には時間がかかる
ただ、このルーティンのことを教えると、「わかりました!今日のレッスンからやってみます!」っていう人が時々いるんですけど…
できません!
その日に初めてやったことってルーティンじゃないですよね。今日から始めたことは「今日やった行動」でしかありません。。
さっきから言っているとおり、「何回も繰り返すことで自然にやっちゃう習慣」のことがルーティンです。
その自然にやってる習慣をやるから「いつもどおりだ」って心が思えるんですよ。
なので、ルーティンにしたい行動が自然になるには、スマホと同じくらい、つまり何百回・何千回と繰り返す必要があります。
その動きが自然になったら、そのときはじめて「ルーティン」として使えるようになるわけなんですね。
本番前にいっぱい繰り返さないとルーティンにはならないってことです。
いつ繰り返すのかというと…普段の練習のときにやってください!
普段の練習からルーティンにしたい行動を入れて練習をすることで、それがルーティンに変わっていきます。
その動きが自然になるってことです。
どんなルーティンを作ればいい?
じゃあ、どんなルーティンを作ればいいと思いますか?
これは…ほんとうになんでもいいです!
自分が好きな行動でOKです。
たとえば、「読む前に息を吐く」とか、「ちょっと肩を回してから読みはじめる」とか、「好きなものを思い浮かべてから読む」とか…なんでもOKです。
ただ、練習するときにこれを何度も繰り返すのが大事。そうすれば、読むまでの一連の流れの中で読めるので、緊張しづらくなると思いますよ。
時間はかかる方法なんですが、すごく長く使える技術なのでぜひ取り入れてみてくださいね!
今回のまとめ
今回は『緊張』というテーマで解説しました!
覚えておいてほしいのは、本番では基本的に70%の力しか出せないので、「70%があなたの実力だよ」ってことです。
緊張対策のポイントは…
①事前準備をしっかりする
②緊張はチャンスだと思う
③ルーティンを準備して実践する
でした!
最後にお伝えしたいことがあります。
緊張しちゃうっていうのは、あなたが声の仕事や練習、あるいは声優養成所のレッスンに真剣に取り組んでる証拠です。
適当にやってる人は緊張しません。
「結果を出したい」とか「いい評価を受けたい」と思ってるから緊張するわけですね。「別に評価とかどうでもいいよ」って思ってたら緊張しません。。
緊張してるのは本気の証拠。そこは自分を褒めてあげてくださいね!
それではまた。
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