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必見です。
俺は父親のときも、祖父母が亡くなったときも、一滴も涙が出なかった。それは客観的に見てどうなんだろうと思った。もちろん仲が悪かったわけではなく、自分に愛情を注いでくれた大好きな人たちだったのに。
「卒業式で泣かないと冷たい人と言われそう」という歌もあったくらいだ。卒業式と比較したら、葬式の場合は冷たさがさらに格上じゃないか。
でも『ウィーアーリトルゾンビーズ』で長久監督が描いてくれた哲学は、そんな表面的な物差しで人の悲しみや感情は測れないのだと教えてくれた。長年のワダカマリが自分の中ですっきりした。
簡単に言ってしまえば「泣いたら喪失を認めてしまう」ってこともあるだろう。ポップでクールに振る舞う子供たちを見ていると、ああ、あの時の俺と同じだ、と感じた。
そして今でもそれを感じられるということは、自分がまだ子供の回路を残しているのだという安堵感にも繋がった。いくら斜に構えてややこしいことを言おうと子供は子供であり、子供と大人は断絶していなくて、なだらかなグラデーションを描いているんだよな、と改めて感じた。
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