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ひとりの映画館。
こんな状況で、正解なんて誰にもわからない。
Netflixで『コンテイジョン』という2011年の映画を観たけど、あまりにも現実の世界とそっくりで、つらくなった。あれだけのリアリティを描ける脚本家は素晴らしいと思う。
俺は写真を撮って生活している。今のところヨーロッパに行くロケがいくつかなくなったり、国内撮影も延期になったりしているけどそれほど大きな影響はない。出かけたりしなくなった分だけ出費が減っているので、収支はほぼ変わらないかもしれない。
ということは、旅行、飲食、イベント業界、映画館などは大打撃ということだ。伝統あるミニシアターのUPLINKでは、客がゼロの上映回もあるらしい。これでは潰れてしまう。映画は観たいが感染が怖いとするなら、貸し切りで全席分の料金を払ったらどうかとさえ思う。
60人くらいのキャパなら10万円くらいあれば足りるし、一人だけで映画を観る機会など普段ではそうそうないからやってみようかな、などと思う。
こうなってみて初めてわかるのは、インフラは言うに及ばず、心を潤すモノが絶対に必要だということだ。音楽や文学や映画は「なくても死なない」と思われているけど、実際にはなかったら死んじゃうくらい退屈なんだよ。だからそういう場所や人々が生き残れるように、与えられている我々が支えないといけない。
初の長編映画『SHELL and JOINT』をシネマート新宿で上映している平林監督もさんざんなタイミングにぶつかってしまった。悲しい。
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