ミッドナイト・ツルッパゲ
リスナーの皆さんこんばんは。ロバート・ツルッパゲです。桜が満開になり、少しずつ日が長くなっていますね。今日、いいことがふたつありました。面識のない人に教える必要はさらさらないので何があったのかは言いませんけど。オープニングトークはこれくらいにして、最初のお便りは「葉月」さんからです。
ロバート、こんばんは。いつもミッツルを楽しく聴いています。ハガキ職人の中では「ボンボンイースト」さん、「午後はバックレ」さんが面白くて好きです。私は33歳で、5歳の息子がいます。主人は事情があって、今はおりません。家事に仕事に毎日大変ですが、ヤンチャな息子とふたりでなんとか楽しく過ごしています。10年前に親の反対を押し切って結婚し、それから一度も両親には会っていませんでした。
3年前に父は亡くなったのですが、葬儀にも出席できませんでした。昨日、息子と家を出るとマンションの玄関先に母が立っていました。カラダが固まってしまって声も出ませんでした。向こうも同じだったようで、向かい合って黙って立っているふたりを見て、息子は「ママ、誰なの」と言います。そこで母は我に返ったようで、「おばあちゃんですよ」と言いました。
私は結婚を認めてもらいたかったし、両親に親孝行をしたかった。でももう父はいません。私には10年前の記憶しかありませんから、母は歳を取り、少し弱々しくなったように感じました。私も母から「老けた」と思われていたのかな。三人で近くのショッピングモールに行き、ケンタッキーフライドチキンを食べました。息子は急にあらわれた母を「おばあちゃん」だとは認識できなかったと思いますが、隣に座って仲良く話しながら食事をする姿を見て「ああ、私は親不孝だった」と涙が出てきました。赤ちゃんの時も、七五三も、幼稚園に入ったときも、全部、母にその姿を見てもらいたかった。もちろん私の結婚式も、です。
駅に向かい、母は改札口で「また来るかもね」と言いました。息子は「おばあちゃん、バイバイ」と手を振ります。駅の近くに公園があり桜が咲いていたのを思い出し、改札を通ろうとする母の腕をつかんで引き返し、公園に向かいました。
「桜の木の下で写真を撮ろう」
公園にママ友がいたので、スマホで撮ってもらいました。私が息子を抱き、母が息子の手を握っています。一緒に暮らしていればこんなことがいつでもできたはずなのです。電車に乗って見えなくなった母。またいつか来てくれるでしょうか。手土産の地元のお菓子の袋の中に手紙が入っていました。
私はあなたの名前を「桜」にしようとしていたの。でも、お父さんは派手なものや目立つことが嫌いな人だったから「俺は葉桜の方が好きだ」と言って8月生まれのあなたは「葉月」になりました。
と書かれていました。昔から変わらない綺麗な字。私からリスナーの皆さんへのマイアミバイスです。どんなに仲が悪くても、頭に来ることがあっても、家族を大事にしてください。長文、失礼しました。
という「葉月」さんのお便りでした。三人で撮った写真も送ってくれました。いい家族の写真です。今日は私がマイアミバイスを受け取ることになりました。またお母さんが来てくれるといいですね。
曲に行きましょう。山口百恵で『秋桜』です。
(スタッフに)
泣いてないよ。これは花粉症だから。