3.運命を変えた「AMIGA」と出会った話
※専門学校でのセミナーをオファーされたので
クリエイターを目指す若い人に向けて書いていこうと思います。
1991年に木型の会社に就職し、その後の未来に必要なスキルを日々習得しながら初給料で買ったFMTOWNSでゲーム作りの毎日。
偏ってるけど、自分の才能に酔いしれ、自己肯定感高めのクリエイティブな楽しい毎日でした。
あと、車を覚えたのもこの時期です。
もともとスーパーカーブームの洗礼を受け、ガンプラで育ったのでメカは好きだったのですが、
自分が車を運転するようになり、自分で動かせるメカはまるで本物のガンダムだ!と思いました。
木型会社は車の部品を作る会社だったことで、先輩、同僚、後輩
みんな車好きばかりだったこともあってどっぷりハマっていきます。
やっぱりカッコいい車が好きなので、RS13 180SXで、サーキットなんかにも行ったりしました。
今思えば、仕事でもちゃんと大事にされ、友人同僚にも恵まれ、会社からもちゃんと評価され満足度の高い時期でした。
ただ、このあたりで挫折をします、自分が天才じゃないと分かってきます。
具体的に一つの事件がありました。
自分は天才クリエイターだと思ってたのに、明らかに自分のミスで仕事で大失敗してしまい、土日に先輩たちに助けてもらったことがキッカケでした。
現実も見え始めて、ようやく「夢破れた、、、」というよりは、「まぁこういう生活もいいじゃないか?」と思えていきます。
そんな中、1992年冬ごろ?にその後の自分の人生が変わる出会いをします。
本屋、可児の三洋堂、LOGINって雑誌の片隅に、AMIGAのことが書かれていました。「ウゴウゴルーガなどの3DCGを作ってるパソコンだ!」と
実は高校時代から3DCGには興味があったのでどうしても欲しい!とスイッチが入ります。
なにしろ、仕事でも最先端の3DCADを使わせてもらい、図面を習得し、すでにモデリング技術は身についている僕なのです。
メカデザイン、プラモデル、パソコンでゲーム作り、車趣味までも、
全てが収束した気がしました。
すぐさま、スマホで検索を!、、、というわけにはいきません。
そこはインターネットが無い時代、数ヶ月、本屋さんの本を読み漁り
断片的な情報を集めていきます。
○AMIGAというアメリカのパソコン
○3DCGが作れる
○クソ高いようだ
○名古屋にも2件お店がある
1993年春頃、会社が休みの日に、名古屋のお店に行ってみることに。
最初に訪ねたのはスターベース名古屋さん、入ってみてびっくり天体望遠鏡屋さんでした。
店長さんと、常連の方が居らっしゃって、説明を受けます。
まぁ、それまでに集めた情報で買うことは決めてるんですけどねw
たしか価格は60万円くらい、当時は手取り12万円くらい。
そこから貯金生活が始まります。
と言っても、飲みにも行かない、旅行にも行かないので、
家に帰ってパソコンでゲームを作る生活なのですけどねw
夏ごろ、もう1件のAMIGAを扱っているお店に言ってみることに。
休日に友達を誘ってロッキン刈谷店に、こっちは楽器屋さんらしいw
楽器屋の奥に、それらしい魔窟を発見、常連さんらしき人が数人
僕:「すみません、AMIGAってパソコンがあると聞いたのですが」
店員:「あ~アポ無しは困るんだよね!」
とんでもねー話だけどw
そこの魔窟はまぁなんかそういうのが許されるなぞの王国だったのです。
とはいえ、そこの店員さんはとても親切に何時間も効果的なプレゼンと丁寧な説明してくれたのでした。
そこに居る常連さんとの交流もしながら、そこのコミュニティで作られた作品を見せてもらいます。
大画面でアニメーションがヌルヌル動いています、コレは当時としては衝撃なことで、僕はすっかり釘付けに、気づけは数時間、辺りは真っ暗
とても神経質に作り込まれた価格表をもらいます。
スターベース名古屋さんとは、方針が少し違っていてロッキンさんは
アニメーションでつかえるAMIGAフルカスタマイズ、サポートという感じ、
RAMは16MBは必要、HDDは540MB必要!
当時はFMTOWNSのRAMは1MB HDDは無しなんて時代なので、とんでもないハイスペック。
当然、予算的にも、余裕の100万円超え!
ただ、長時間の丁寧ね説明で、僕はすっかり信者となり今すぐにもで100万円お支払いしたい気持ちになっていました。
この時の、この王国の王様、この宗教の教祖は、今も友人の山田誠さんです。
そして60万円から大幅にあがった目標金額を目指して再び貯金生活が始まりますが、やはり特になんの苦もなくw
そして1993年12月25日 ついに僕はAMIGAを購入することができたのでした。
輸入品なので数ヶ月待ちだとのことだったのですが、
「予想より速く入荷したんだよ、クリスマスプレゼントだね!」ということで、この日は忘れられない人生の分岐点としてしっかり記憶に残っていきます。
英語しか無い、日本語マニュアルも無い正体不明のパソコンを109万円で買ったこと、ここが恐らく3DCG人生のスタート地点
でも、30年近くお金を稼げているので完全に元をとっています。
まぁバカだから欲しいモノを買っただけではあるのですが
■身の丈なんか考えず欲しいモノは買えばいい
■面白いモノを買うと、面白い人と繋がれる、もれなく人脈がついてくる(場合がある)
ということを学んだのでした。
コレはこの先の自分の行動の規範になっていきます。
次はAMIGAで得られた繋がりの話と、自主制作の話をします。
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