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7.無職になってリューセイバー

1997年夏、僕は過剰な自主制作で身体を壊して無職になりました。
最悪です悲惨です、、もう全ての希望が無くなりました。

と言いたいところですが、、
肋膜炎の影響、睡眠不足、疲労からの体調不良はあるものの
会社にいられなくなった原因は溶剤アレルギーと、ハウスダストアレルギーなのです。
木や樹脂の粉が舞い、接着剤や溶剤が沢山ある木型会社に行くと咳が止まらなくなる。

つまり家でパソコンで作業するのは問題ないのでした、まぁ慢性的に体調悪いけど。

逆に会社にいかなくなった事で、毎日10時間も余裕があるわけ。
脳みそのバッファもごっそり空いた。
リーマンだったから当面失業保険ももらえる、貯金も僅かだけどある。
コレで無理なく思う存分CGアニメが作れるじゃないか!?

○コンテストで受賞して順風満帆かと思われたがそうではなかった!
○病気になって無職になって悲惨かと思われたがそうではなかった!

逆張りパターンの連続ですw

とりあえず、作りかけのCGアニメを(無理せず)完成させよう!
年末の締め切りまでずっと集中して作品作りとにかく充実してました。

そして完成! 「超獣ロボ リューセイバー」
※個々の作品の作りの解説はまた別に書く予定です。

自分的にはゼノヴァーはサンライズのリアルロボット路線
リューセイバーはスーパーロボットモノ 

僕は、ダンガイオーが好きだったので、
キャラは平野俊弘さん、メカは大張正己さんっぽく!
音楽を頼んだ山田さんにも、「ダンガイオーでお願いします、渡辺宙明で!!」とオーダーしていました。

ゼノヴァーで培ったノウハウをさらにパワーアップさせ
メカデザインと、キャラデザインを、実用的なとこまで持ち上げたい!
さらにちゃんとTVのフォーマットにしたい。
録音などもスタジオを借りてプロの機材で!
映像も当時のTVで放映できるクオリティに!
できる範囲で構わないから~~♪

リューセイバー
オペレーターのミユちゃん

我ながら、なかなかすごいモンが出来たぞ!

第10回DoGACGAで準グランプリ受賞
WavyAwardで最優秀賞を受賞


第一次のCGブームもあってこの作品は話題になり、とても多くの人に見てもらえて間違いなく自分の人生の分岐点になりました。
多分僕の人生のうち、僕が一番世間から注目されていた年だと思いますw


さて、、、、、、、。
病気になって無職にはなったけどオレは全てやりとげたよ! 
社会に一発かましてやったぞ。
もう充分だ、そろそろお仕事を探そうか、、、、。

と、、そこに、コンテストのDoGAさんから連絡が、

「渡辺さんって今無職らしいですけど、TVアニメの仕事しませんか?」

「え?!あ、はい、やります!」

こうして1998年、僕はプロのフリーランスのCG屋としての人生を歩む事になります。

僕は無理をしなければ病気にはならなかったかもしれない
病気にならなければ1997年夏に会社を辞める事は無かったでしょう。
1997年夏に会社をやめてリューセイバーを完成させたあたりに
たまたまDoGAにセルシェーディングアニメの仕事の依頼が来てて
僕はたまたまセルシェーディングアニメであるリューセイバーを応募して無職だった、こんなタイミングあります?w
まさにこの結末に到達する唯一のシナリオだと思います。
リューセイバーがあれだけ話題になったのは、1997年だったからというのは間違いなくあります、プロの作品がTVに出る前だったのです。
1~2年ズレていたら評価は変わっていたでしょう。
僕は当時は無信仰ではありましたが、神様やご先祖様なのかなにかに守護されている!とは思いました、いやほんとに。

病気になって職を失った事は、千載一遇のチャンスだったわけです。

こんな事もあるんですね。

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