見出し画像

『けいおん!』の次に見るべきアニメをちゃんと考えてみた

いつも毎週木曜日は「未来アニメ研究所」というテーマで「アニメ」という1つのキーワードの中で、様々な記事を公開しています。

その中で、一回書いてみたかったのが「〇〇の次に見るべきアニメ!」というもの。

アニメは1作品だけ見て終わるわけではなく、次の作品も見ていくはずです。その旅路は人によって異なるかもしれませんが、一方で、何を見るか迷っている人もいるのではないでしょうか?

私が思うに、アニメを見る順番というのは結構大事なのではないでしょうか。例えば『ぼっち・ざ・ろっく!』は、芳文社原作で軽音楽をテーマにしていることから『けいおん!』を知っている人とそうでない人とでは、印象が大きく異なるはずです。そして「軽音楽×アニメ」というのは『涼宮ハルヒの憂鬱』が1つの転換点でした。

結局のところ、現在放送されているアニメは、それ以前に放送されていたアニメの影響を少なからず受けており、全ては繋がっているのです。

もちろん「アニメを見る順番」というのは人によって違くてもOKで、その旅路そのものに個性が育まれるのではないでしょうか?

まさにAnime is a journey!

ということで、今回は『けいおん!』の次に見るべきアニメを紹介してみます。

※なお、本記事は既に『けいおん!』を視聴している読者を前提にしています

『けいおん!』の魅力をおさらいしよう

『けいおん!』の魅力は、たくさんあります。

まず日常系アニメとしてのほのぼのした雰囲気とキャラ。

それから、京都アニメーション(と山田尚子監督)による作画と演出。

そして何よりも音楽のクオリティの高さ。

この3つが挙げられることが多いです。

でも、私が思う『けいおん!』で最も素晴らしい点は「好きなことやればいいんじゃない!?」というメッセージ性にありました。それも一見するとダラけた作品なのに、気がついたら感動していて「音楽を始めてみよう!」と思えてしまう。こんな作品は『けいおん!』以前には存在しませんでした。

閑話休題

ということで、これらの魅力を元に『けいおん!』の次に見るべきアニメを探していきます。

とりあえず京アニ

これが一番無難な選択です。そもそも『けいおん!』の功績は京都アニメーションによるものが大きく、『けいおん!』のような素晴らしい作品を楽しみたいのであれば、京アニ作品を見るのがいいでしょう。

では、どの作品を見るべきかと言われると、私だったら以下のどれかをおすすめします。

  • 涼宮ハルヒの憂鬱

  • 氷菓

  • たまこまーけっと

  • 響け!ユーフォニアム

『涼宮ハルヒの憂鬱』から『けいおん!』に繋がったと言っても過言ではないし、『けいおん!』から『たまこまーけっと(監督が同じ)』や『響け!ユーフォニアム』に続いたと言っても過言ではありません。

また『氷菓』に関しては、おそらく最も見やすい京アニ作品としておすすめしたいです。

でも個人的には『たまこまーけっと』ですかね。『けいおん!』の山田尚子監督らしさが詰まった作品に仕上がっていて、多分『けいおん!』より渋い内容。そして劇場版の『たまこラブストーリー』はアニメ史に残る傑作だと思います。

『ラブライブ!』は脚本が同じ

初期の『ラブライブ!』は、まず間違いなく『けいおん!』の影響を受けていたと思います。実際『けいおん!』に似た展開が多く、『ラブライブ!』の脚本を担当している花田十輝さんは『けいおん!』の重要なエピソードでの脚本経験もありました。

『涼宮ハルヒの憂鬱』と『けいおん!』がアニメでガールズバンドをやったあと、『ラブライブ!』が「アニメ×アイドル」を急速に広めていくのです。

「音楽系アニメ」の流れを考えると、『けいおん!』から『ラブライブ!』に流れるのは自然かもしれません。

『ぼっち・ざ・ろっく!』もアリ

『けいおん!』は2011年にアニメが完結しましたが、それから10年以上経った今、令和版『けいおん!』ということで『ぼっち・ざ・ろっく!』を見るのもいいでしょう。

きらら系・軽音楽・JKという共通点が揃っている時点で『ぼっち・ざ・ろっく!』が『けいおん!』を意識していないわけがなく、実際に『けいおん!』がやれなかったことを『ぼざろ』がやってる感じがします。ただ、それでも「好きなことにハマる」というのは共通しているのが「きらら」らしいですね。

『ゆるゆり』はポスト京アニの始まり?

ちょっと予想外かもしれませんが『ゆるゆり』もおすすめです。

私が思うに2000年代前半の京アニが『涼宮ハルヒの憂鬱』『らき☆すた』『けいおん!』で萌えアニメの1つのテンプレートみたいなものを作ったと感じます。でも、京アニの神作画をそのまま再現するのは不可能に近い。そこで各アニメスタジオが、京アニのエッセンスを取り入れながら、様々な動きや演出の派生が生まれたのが2010年代前半でした。

そして、その最先端を走っていたのが『ゆるゆり』です。思えば『ゆるゆり』が「動画工房=萌えキャラ」の始まりで、実際に『ゆるゆり』の第1話のカメラワークや動きは『けいおん!』らしさを強く感じます。

『けいおん!』と同じ思想の『よりもい』

もし『けいおん!』を見て「音楽をやってみたい!」と少しでも思ったなら、『宇宙よりも遠い場所』を見ることをおすすめします。

先ほども述べた通り『けいおん!』の素晴らしいところは「好きなことやればいいんじゃない!?」という大切なメッセージを萌えアニメで包んだことにあると思ってます。極論を言えば、萌えアニメが好きなオタクに向けて、自己啓発的なメッセージを送っているのです。しかも、それが「自己啓発的」であることを完璧に隠し、一見するとただのダラダラな日常系アニメのように見せかけている。90%の人は癒されたり呆れたりするだけかもしれないけど、10%の人が「音楽やろう!」とか思える。そんな作品が『けいおん!』なのです。

一方で『よりもい』は『けいおん!』に比べて自己啓発的な要素が強いですが、それ以上に1クールアニメとしての出来が完璧すぎるので、すぐに感情移入できます。

『けいおん!』と『よりもい』は、どちらも人生を変えるアニメだと思います。傑作です。

今なら『きみの色』が一番熱い

『きみの色』は『けいおん!』を手掛けた山田尚子監督の最新アニメ映画です。

山田尚子監督は、放火事件以降、京アニから離れてサイエンスSARUで『平家物語』などを制作していました。そんな山田尚子監督の最新作『きみの色』は、正直言って、いい意味でとても京アニらしく、でも山田尚子監督の個性がより強調されている感じがしました。

しかも、取り扱っているテーマは「音楽」。『けいおん!』と同じで高校生が文化祭でライブするのです。登場人物たちは自分の心の中にある「好き」で悩み、高校生という人生の分岐点でも大いに悩みます。

何よりも楽曲が素晴らしい。ミスチルが歌ってる主題歌は一旦忘れてください。作中の挿入歌でめちゃくちゃカッコいい音楽が流れます。

編集後記

たしか私は『けいおん!』を視聴した際に、ひどいアニメロス症候群に陥って、すぐに明るい作品を見ようと思って『冴えカノ』を見た経緯がありました(私は2020年からアニメを見始めました)。

今思えば、あのタイミングで『ゆるゆり』を見るのが、気分転換にはベストだったと思いますが『冴えカノ』も素晴らしいアニメです。

ちなみに私は、これまで見てきたアニメの中で『けいおん!』が一番好きなアニメの1つで、人生観に多大な影響を受けました。

「好きなことやればいいんじゃない!?」

大人たちは言うけど 好きなことばっかしちゃ
ダメんなるって言うけど そうかな!? どうかな!?
ねえ 好きなことに夢中んなってる瞬間ってさ
生きてるって感じだし 幸せだし…だからいいや
つーかダメんなるわけない

『GO! GO! MANIAC』より引用

いいなと思ったら応援しよう!