アニメーターになるにはどうすればいい?
今回はアニメーターのなり方について解説していきます。
一般的に、アニメーターになるには以下のキャリアを踏んでいく必要があると考えられています。
専門学校に通う
美術大学に通う
独学で頑張る
以上のステップを踏んでから、アニメ制作会社などに入社する
大まかに分けて①専門学校、②美術大学、③独学でアニメーションの技術を身につけてから、アニメ制作会社などで実務経験を積むのが一般的でしょう。
おそらくもっともハードルが低いのが専門学校です。入校の難易度が比較的容易であり、キャリアもそれなりに準備されています。
逆に、ハードルが高いのが独学です。アニメーションにおいて学ぶことは非常に多く、キャリアも自分で切り拓かなければなりません。
美術大学に関しては、大学によって入試難易度が異なることから、一概にハードルについて解説するのは難しいです。専門学校との違いは「美術」や「一般教養」の知識を身につけられることに尽きます。これらの知識は、作画よりも「演出」において役立つことが多いでしょう。
また、有名な美術大学になると、難易度の高い入試が設けられていることから、入学者のレベルが全体的に高く、切磋琢磨できるのが特徴です。
実際に『アニメーション制作者実態調査2023』を見ると、約41%のアニメーターが「大卒」で、約37%が専門学校卒業です。
以上のことから、多くの人が教育機関でアニメーションに関する制作について学び、それをキャリアに役立てていることがわかります。
一方で、多くの有名アニメ監督が、美術大学や専門学校でアニメーションを学んでいなかった事実は見逃せません。
例えば新海誠監督は、中央大学文学部に入学し、日本ファルコムでのアルバイトでスキルを身につけてきました。また、宮崎駿は学習院大学、高畑勲は東京大学で、どちらも大学でアニメーションの教育を受けていたわけではありません。
これは、監督(演出)とアニメーターに求められるスキルが違うということもありますが、どちらにせよ「アニメーターになる=アニメーションの教育を受けなければならない」ではないことは確かです。
そう考えると、アニメーターに限った話ではなく、独学力は非常に重要な要素なのではないかと考えます。本来であればエンジニアと同様に、3DCGやFlashなどの新しい技術を積極的に試していく必要があるのではないでしょうか。
この連載を続けていて、どうもアニメーター関連の問題は、そのまま日本人の低い労働生産性の問題に直結するように感じてきました。
今回のアニメーターの現状をテーマにしたドキュメンタリー映画制作では、アニメーターまでのキャリアパスについても取材を重ねていきたいと考えています。
ぜひご支援のほど、よろしくお願いします!