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アニメーター志望におすすめのアニメ②:MUNTO
アニメーター志望におすすめのアニメとしてMUNTOシリーズが挙げられます。
『MUNTO』は京都アニメーションが2003年より公開を開始した自主制作プロジェクトで、京アニ自らが「京アニの原点」として本作を据えています。
京アニ作品の中では知名度が最も低く、実際に視聴したことがある人も少ないかもしれません。しかし本作を視聴することは、京アニが一体何を信じていて、アニメーションの価値がどこにあるのかを見つけるヒントに繋がります。
また、本作は京アニ屈指のアニメーターだった木上益治の数少ない監督作品で、映像表現にも注目がいく作品に仕上がっています。
『MUNTO』から学べることはたくさんありますが、私は個人的に「目に見えないものを信じる」ということの重要性を学びました。目に見えないものとは、具体的には夢、未来、心などがありますが、これを信じ切ることができる人は、そう多くありません。
かつて、スティーブ・ジョブズはAppleから追われたあと、PIXARを創業。ジョブズは、PIXARが持つ3DCGの技術が、目に見えないものを目に見えるものにする最適なテクノロジーと考えたのだと、私は推察します。
アニメーションという技術は、目に見えないものを目に見える形に変換するのに優れているのです。
それに加えて『MUNTO』の作中に登場する”アクト”は、アニメーションが持つ力を示唆しているように思えます。このアクトという不思議な力を、支配のために使うのか、お金稼ぎのために使うのか、人の心を動かすために使うのかで、全く違う形になることでしょう。
現代はどうもアニメーションがお金稼ぎに使われている感じが否めません。京都アニメーションのように、自給自足できる範囲で稼ぐことが、健全なのではないかと私は考えます。
これまで京アニは数多くの名作アニメを作り、最近放送されている『響け!ユーフォニアム』の3期も、素晴らしい作品に仕上がっています。そして私が思うに、やはりその根底には『MUNTO』があると思うのです。
アニメ業界に携わる際に、お金を信じるのか、それとも目に見えない何かを信じるのかで、出来上がる作品やキャリアが全く異なるのだろうと思う今日この頃です。
次回に続きます。