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憂雪崩

本日、Anisoninよりシングル「憂雪崩」(うなだれ、と読みます!)をデジタル・リリース致しました。
4月から月に1度、1曲ずつリリースをつづけており、遂に5ヶ月目です…!
晩夏、とはいえまだまだ暑い日が続きますが、8月の終りに相応しい曲となっておりますので、是非サブスクリプションサービスにてお聞きください。

憂雪崩という曲は、本当にいつだろう…、多分7~8年程前ですか…?に、加藤さんの作品に初めて参加させて頂き、初めて歌唱を担当させて頂いた曲なのです!
無論Anisonin発足前の話ですので、こう考えるとかなり歴史的な曲のように思われます…。
私自身、自分のバンドでボーカルをしていたものの、自分以外のクリエイターさんの楽曲に歌入れしたのは初めてで、ご依頼頂けた事がすごく嬉しかった事を記憶しています。

7~8年程前は、アコースティック調で、もう少しゆったりと伸びる歌でしたが、Anisoninの為にリメイクされた今のバージョンも、とても気に入っています。

当時、私の声に合うと思う、と加藤さんにご依頼頂けた事が、とても印象深く残っています。
その頃は、自分自身の作曲に一心不乱に打ち込んでいて、歌は二の次くらいの感覚だったので、自分の歌声への理解に脳みそがゆき渡るはずもなく、若く余裕のない声だったなあと思うのですが、そんな最中、信頼の深い方から「声」という一つの色を見つけて貰って、押し付けではなく、新たな性質を植え付けて下さった感じがとても新しくて…。
アコースティックバージョンも、何かでお披露目出来たら凄く嬉しいです。

歌詞は、元々加藤さん発信のものでしたので、それを少し再構築する形で挑みました。
が、元の詞が曲とぴったりで、それを邪魔する事が一番恐れられたので、結局殆ど手を加えず、そのままの色を惜しみなく使わせて頂いています!
強いて言うならば、元の歌詞よりも「夏」感を出そうと試みたかな、と思います。
とても個人的な話ですが、「夏」の歌詞を書くのがとても苦手です。
途轍もなく大好きでとくべつな季節なので、それを1つの何か(作品)に押し込める事がどうしても難しく、悩み散らかしてしまうので…。
ただ、今回は一人で悩み抜くのではなく、本来のものを活かしながら、という、非常に心強い状況だったので、自分でも気負い過ぎず、シンプルな言葉で夏の夕暮れを彩れたと思っています!

最近、少し心変わりしたところで言うと、一人、自宅の一室で歌録りをすることが増えました。
バンドをやっていた頃からの癖で、今まで自分以外の誰かと共にレコーディングをして、良し悪しを判断して貰って、何なら他者にラスト(ベスト)・テイクを委ねる、という事ばかりをやってきました。
本当に、歌を自己的に判断できない性質でして、他人様の言う事の方が信じられると、変に頑なでした。
ただ、最近は自室の環境をととのえたことが手伝って、また、自分の歌のこだわり方も少しわかってきたような気がしていて、今回の「憂雪崩」も、上記の通り一人孤独に録音したものを、最終的に採用しています。
ビックリするほど独り言を連発しながらの作業なので、決してどなたの前にも提出できない代物ですが、何か新しい感覚を歌に乗せられていたら良いなあと思います!

憂雪崩は、記憶(過去)のうたです。
誰にでも印象深く、ふと思い返してしまう季節があるのかな、と想像しますが、私にとって、最も鮮烈に脳に焼かれるのは、いつも夏のおもいでのような気がします。

今年の夏は暑すぎたという事、それから、よく車に乗りました。

大粒の雨が一斉に上がって、雲間から刺すように明るい太陽が覗き地面を焚きつけ、じりじりと湿度を上昇させる。
そういう時に車の窓を大袈裟に開けると、蝉は耳に痛いほど泣いて、東京の空気をどよめかす。
8日目を迎えた蝉は、焚き尽くされたアスファルトへ墜落し、命まるごと焦げ消える。

あと少し夏はつづきますが、命まるごと焦げ消えるような、全力で生ききった青春みたいな夏だったなあと、いつかこの夏をおもいだしたいものです。

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