【ペット系サービス代表の小話】#6 エキゾチックアニマルを取り巻く環境
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獣医師からは言いずらい、獣医師は教えてくれないコトを世の中に伝えていきたいな、なんて思っています。
今週のテーマは、【エキゾチックアニマルを取り巻く環境】です。
エキゾチックアニマルって言葉は色んな定義がありますが、ここでは「人間に飼育されている犬猫以外の動物」と定義します。
ハムスター・うさぎ・文鳥なんかの飼育頭数が特に多く、チンチラ・フェレット・フクロモモンガ・デグーなんかも最近増えてきているようです。
はっきり言って、日本のエキゾチックアニマルの飼育環境はいい状態ではありません。
簡単に飼育し始められるのに、飼育に関する情報が全然ない、診れる獣医師も超少ない、そんな状況です。
そして、エキゾチックに対する獣医療の発達はこれからもなかなか進まないと思います。
理由は2つあります。
・ 獣医師は犬猫の獣医療の発達に追いついていくことさえ大変なのに、患者数の少ないエキゾチックアニマルの勉強に時間が割けない
・ 犬猫よりも診療や手術に知識・スキルが必要なのに、診療報酬が安くなりがちで採算が取れない
エキゾチック専門として病院を作り、東京なら平均客単価10000円以上・毎日14人以上が来院すれば動物病院ビジネスとして成立しますが、このハードルがとても高いのが現状です。
犬猫・エキゾチックアニマルの両方を見ているという病院の先生ともたくさん話してきましたが、「エキゾチックアニマルはあまりお金にならない」「以前は診ていたけどもう最近は診るのやめちゃった」「エキゾチックの飼い主は定期的に来てくれない」そんな声をよく聞きます。
勉強の大変さ・患者数・客単価、この3つがどれもいい状態でないため、診療自体を続けていくのが難しいのは仕方がありません。
やっぱり最初に解決すべきは客単価だと隅蔵は考えます。
犬猫は体重が軽いほど薬の費用や手術費の請求額を下げるという業界スタンダードな考え方があります。単純に薬の量が少なくて済んだり、小型犬は大型犬ほどの人手を取らずに手術が可能だからです。
しかし、この考え方をエキゾチックアニマルに対する診療報酬にも適用している動物病院がたくさんあって、それは適切ではありません。
診療報酬の決め方は犬猫とエキゾチックアニマルでは分けて考えるべきです。
仮にホームセンターで5000円で購入したハムスターだったとしても、動物病院で適切に検査を受けて診療・処方をしたら犬猫に並ぶ金額を取るべきで、飼い主にもそれを理解するべきだと思います。
正直、犬猫でさえ日本の獣医療の質からすると、他の先進国の獣医療の価格と比べて安すぎるんです。「動物病院は高い」という高額感の正体は、獣医療の進化に追いついていない日本経済の物価にあると思います。
さらには、エキゾの飼い主もペット保険に加入して病院での負担を下げるのが業界スタンダードになればもっと良いと思います。
エキゾの飼い主が獣医療に対して適切な価格を支払うマインドを形成し、
エキゾを学ぶ獣医師が増え、
確立されていく獣医療も広がり、
エキゾの獣医療や飼育の情報を飼い主も獣医師も取りやすくなり、
エキゾを飼う飼い主がもっと増えて、
患者数増加によってやっと獣医療の料金を少し下げられる。
そんな流れが生まれることに隅蔵は大きな期待を寄せています。
はい、今日はここまで♪
次回、【4月13日】は【動物病院の知られざる一日】をテーマに掲げます。
お楽しみに!