【となりのトトロ】16の見どころ、ツッコミどころ【後編】
『となりのトトロ』(宮崎駿演出)のちょっと気になるツッコミどころ、後編。【アニメてにをは】ならではな観点で残り8箇所見ていきましょう。
前編はこちら。
★9~水の表現/水たまりに注目
宮崎駿さんは『水の表現』が登場するとニンマリしながら作業しているに違いない。
『水の表現』だけで一本アニメをつくってしまうほどです(ポニョ)。今回、『トトロ』が放映されるにあたって、宮崎アニメの水表現を軽くおさらいしてみました。以下のリンクがそれです。
メイちゃんの雨靴から垂れ落ちる水の表現。
ああ、やってるやってるという感じです。
『トトロ』だけで水の表現は5,6箇所ありますね。
さて次行きましょう。
★10~遠くの人物は目がパチクリ。
アナログセルがデジタルと違うのは拡大が効かない点です。
だから遠くで小さく映っている人物の表情は、すごく省略的か、あるいは誇張している形になります。
バス停でトトロと初対面したサツキの表情は「誇張型」ですね、目がパチクリ。
こういう表現はアナログセルならではなので、いまでは懐かしく、デジタルでもやってくれないかなと思う表現なのでした。
★11~そこ(口の中)にカメラを置く?
トトロを初対面したメイちゃん。
トトロが大口あけてメイちゃんに答えます。
そのときの、『トトロの口の中から』見た視点。
ちょっと実写ではお目にかかれない、いかにもアニメ的なカメラ視点ですね。
こんなの『トトロ』ぐらいだろ、と思ってツイートしたら、返事が来て、『リトル・ショップ・オブ・ホラー』という実写映画でやっているカットを送ってくれました。酔狂なひとは世の中に複数はいるもんだ。
★12~トウモロコシ畑の『全セル』
このトウモロコシ畑も『全セル』ですね。
ふつうの画面から全セルになると、ハッとしますね。
「来た。全セル!」って感じに。
『トトロ』のこのシーンを見るたび思い出すのは『千と千尋』の花咲く生垣のシーン。
ひとによっては「CG表現が素晴らしい!」と褒めますが、ぼくはあれは『全セル』でやってほしかったな、という派です。
★13~歩いて『地形図』を描く
お母さんの容体が悪くなって、サツキの後についていったら迷子になりかけるメイちゃん。
メイちゃんの足取りと、角を曲がるたびに律儀にカット割りをすることで、その周辺の「地形の図」が視聴者の頭のなかで描かれる。
宮崎さんは場所の全体像を一気に見せるのでなく、主人公が迷子になりながら覚束なく進んでいく目線で空間の広がりを説明するのが好きですね。
来週金曜ロードショーでやる『耳をすませば』もそれが魅力のひとつになっていますね。
時間があったらまたご説明したいと思います。
★14~もう何度も死んでいただろうメイちゃん
メイちゃんの行動はいまだったら、お父さんなりサツキなりの「育児放棄」って言われかねないくらい、メイちゃんは自由に動き回っていますね。
ラストも猫バスが来てくれなければ『行方不明/失踪』になっていたはず。
トトロの穴に転げ落ちるのも、あれはトトロがいたからよかったものの、死んでいてもおかしくない。
この作品一本のなかだけでも二回か三回、死んでいてもおかしくない危険ゾーンを超えてメイちゃんは行動していますね。
★15~宮崎アニメで果たす『鏡』の役割について
鏡って実写映画にしろ、アニメにしろ、面白い表現を生みやすいはずですが、安易に思われてしまうからか、あまり効果的な利用方法がなされていないですね。
宮崎アニメもそうで、例外は乗り物についているサイドミラー。
失踪したメイちゃんをさがすためサツキがよびとめたリヤカーの荷台に乗った女性がバックミラーに『歪んで』映っていますね。
★16~最後はイケメンなトトロで
トトロを言えばあの歯をむき出しにしてニッカリ笑う顔がトレードマーク。あのニッカリ笑いは『変質者』を想像してしまうのはわたしだけでしょうか?
しかしサツキを助けるために猫バスを呼んだトトロのこのイケメン顔はどうでしょう?
「え、こんな顔してるところ、あったっけ?」
というぐらい一瞬です。再確認してください。
ということで、『となりのトトロ』2022年金曜ロードショー放映記念の【ツッコミどころ、総ざらえ】でした。
ご清聴ありがとうございました。
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