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アニメドラマ「義妹生活」感想と解題②第5話「レイトショーとガチなやつ」について

アニメドラマ「義妹生活」第5話「レイトショーとガチなやつ」では、およそ20分ある物語のうちおよそ6分をレターボックスサイズの劇中映画に当てている。しかもその「作品」に独自のスタッフとキャストが準備されている。こういった「贅沢な作り」が、作品に「意味的な余裕」を生んでいると思う。

「意味的な余裕」は「描かれないこと」を作り、「描かれないこと」があることを提示することによって「隠された意味」があることを知覚させることに成功しているように感じられる。結果それはこのアニメドラマに「間」を作ることに貢献しているだろう。

例えば第5話での「映画館外で再生される劇中劇」が、モノローグで明示される以上の意味を感じさせることに成功している。ここでは2分たっぷりと時間をとって「劇中劇」が映されているが、ここは多分「実際の劇中劇」ではなく読売さんの「心の内」ではないかと感じられる。

彼女の想いは明示されない。「劇中劇」は「別の意味を遮り蔽い隠す何か」としてそこに配置されている。そのことによって、わずかに示される読売さんの「言いかけたこと」の重さと強さを描写している。そう感じられる。
そこには彼女の「少女性」みたいなものを感じた。

ところで。
登場人物たちに深く関わる学校がどこなのか、モデルを予想してみた。

都立青山高等学校
お茶の水女子大(人文科学科に哲学・倫理学・美術史コースを設置)
一橋大学(2023年度、ソーシャル・データサイエンス学部・研究科を新設)

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