OpenToonz ベクター自動中割コントロールの使い方
OpenToonzではToonzベクターレベル(pli)であれば自動で中割りを作成することができます。
さらに「ベクター自動中割コントロール」はベクターで自動で中割りを作成するときの細かいオプションなどを設定することができますが、例のごとく日本語マニュアルがなかったので調査しました。
この記事はその「ベクター自動中割コントロール」を使ったベクター自動中割りの作り方について解説します。
前準備
(OpenToonzの基本操作については書き始めると長くなりすぎてしまうので、割愛させて頂きます。あらかじめベクターレベルで絵を描くところまではできている前提で話を進めます。)
左上のメニューの「ウィンドウ」→「ベクター自動中割コントロールパネル」を選択すれば、このウィンドウを呼び出すことができます。
以下の画像のようなウィンドウが表示されます。
それぞれの項目について簡易的な説明を書きます。
ガイドを表示するフレーム
オニオンスキンで表示させているフレームのうち、どのフレームにガイド(描画の描き順を示す印)を表示させるかを設定します。
・オフ
・直近の作画
・最も遠い作画
・すべて
から選択することができます。
これが「オフ」と「すべて」の場合、「ベクター中割りコントロール」の機能が使えないので注意してください。
基本的には「最も遠い作画」に設定しておけばよいかと思います。
原画描線を選択
オニオンスキンに表示させている絵のうち、これから描く線に対応する線を自由に指定することができます。
つまり、この機能を使えば線の描き順を自由に設定できます。
(逆にこの機能を使わなければ、線の描く順番は元の原画を描いた時の描き順の通りに自動で設定されます。)
以下に使用例を挙げつつ、使い方を書きます。
・ 「前」
現在のフレーム(絵)よりも前の絵から対応する線を選択するときは、「前」をクリックしてから、これから描く線に対応する線を選択します。
・ 「後」
同様に、現在のフレームよりも後ろの絵から対応する線を選択するときは、「後」をクリックしてから、これから描く線に対応する線を選択します。
一応例を書きますが、基本的な操作は先述の「前」ボタン使用時と同じです。
・ 「両方」
現在のフレームの前後の絵から、対応する線をそれぞれ選択して現在のフレームに絵を描き、それら3つを基に中割を作成します。
参考動画
参考動画を作成しました。
「両方」での操作を行っていますが、「前」「後」もほぼ同様の操作です。
・ 「選択を解除」
手動で行った原画描線の選択が解除され、これから描く線の順番は元の原画の描き順に従って自動で指定されるように戻ります。
また、後述する
・「前後の原画描線の間を中割りする」
・「原画描線から選択描線の間を中割りする」
・「原画描線の選択&中割モード」
の解除にもこのボタンを使用します。
原画描線の向きを反転
線の描く方向を反転させることができます。
例えば、元の原画では「左から右」に描いた線を、逆に「右から左」に描くように設定できます。
自動中割り
これをオンにしておくと、中割を作成するために必要な線が描画されると同時に中割りを自動的に作成します。
割り方
中割りをどのように作成するかを設定できます。
・均等割り
・先詰め
・後詰め
・両詰め
から選択できます。
詰め方の細かい程度の指定はできない(?)ようです。
前後の原画描線の間を中割する
「原画描線を選択」の「両方」で選択された前後の線から中割りを作成します。
原画描線から選択描線の間を中割りする
現在のフレームで選択されている線と、「前」または「後」で選択された線に基づいて中割りを作成することができます。
現在使用しているツールが「選択ツール」の時だけ使えます。
(ツールバーの上から二番目の普通のカーソルのアイコンのツールです。)
原画描線の選択&中割りモード
連続的に前後の絵からペアとなる線を選択することで、自動的にそのペアに基づいた中割りを作成するモードです。
このモードであれば、一組の線ごとに中割りを作成していくので、線ごとに詰め方を変更するといった調整も可能です。
また、作画時に自動中割りをOFFにして作画していた場合だと、最後にまとめて中割りを作成するために使うのも良いかもしれません。
※空白の場所などを選択してもこのモードは自動的には終了しません。ツールを切り替えるか、「原画描線の選択」の「選択を解除」を押せばこのモードは解除されます。
全ての線の中割りを一括で作成したい場合
原画に含まれるすべての線の中割りを一括で作成したい場合は、レベルビューア上から操作を行います。
レベルビューア上で描いた原画と、中割りを作成したいフレームを選択します。
(Shiftキーを押しながらで範囲選択できます。)
各フレームのアイコンの右端に"INBETWEEN"と書かれた枠が表示されるのでそれをクリックします。
補間方法を尋ねられるので、選択します。(線形=均等割りです)
「中割り」を押すと、全ての線の中割りが一括で作成されます。
出典
以下のOpenToonzのgithub上の説明を参照の上、実際にOpenToonz v1.7.1で動作確認を行って記事を作成しました。
誤りやアップデートがあれば、記事を更新します。