見出し画像

やさしい論説#0003「みんなが信じる『ふしぎな思いこみ』とSNSの力」

はじめに

今、ぼくたち・わたしたちが見たり聞いたりする情報は、たくさんの人の意見やSNSの影響を受けています。その中で、ときどき「なんでみんなこんなことを信じてるんだろう?」と感じるような『ふしぎな思いこみ』が生まれることがあります。このお話では、SNSがどうやってぼくたち・わたしたちの考え方を変えてしまうのか、そしてその『ふしぎな思いこみ』がどう広がっていくかを考えていきます。

第1章 ふしぎな思いこみ「認知バイアス」って?

ぼくたち・わたしたちが「こうだ!」と思っていることって、じつは間違っていることもあります。これを「認知バイアス(にんちバイアス)」といいます。例えば、家族や友だちから「こうしたほうがいいよ」と言われて、無意識にそう思いこむことがありますよね。でも、それが本当に正しいとは限らないんです。

この「認知バイアス」は、たとえば「みんなが怖がっているから、ぼく・わたしも怖い」とか、「みんながあの人は悪いと言うから、ぼく・わたしもそうだ」と思いこむようなもので、ぼくたちの考え方にじわじわと影響を与えるんです。

第2章 SNSが生む「思いこみのうつり」

SNSって、すごいスピードでいろんな情報がみんなに伝わっていきますよね。だれかがSNSで「こうだ!」と言ったことが、あっという間にたくさんの人に広がって、だんだんと「みんながそう言ってるから、きっとそうなんだろう」と思うようになります。

こうして、ほんとうかどうかもわからないことが、みんなの間で信じられるようになっていくんです。この「思いこみのうつり」は、コロナウイルスが広まったときや、ワクチンを打つべきかどうかでみんなが悩んでいたときに、よく見られたことです。日本では、みんなで同じことをしようという気持ちが強いので、SNSで広まった情報を簡単に信じてしまうことが多くなるんです。

第3章 みんなの思いこみが「集団の思いこみ」になるとき

みんなが同じようなことを信じているとき、じつはそれが本当かどうかあまり考えられていないことがよくあります。たとえば、友だちの間で「このゲームが一番面白い!」とみんなが言っていると、自分もそう思いこむことがあるかもしれません。

SNSでは、同じような考えを持つ人が集まりやすく、気がつくと自分の考えがみんなと同じになってしまうことがあります。この「集団の思いこみ」がひどくなると、自分で冷静に考えることができなくなってしまいます。

第4章 日本におけるコロナとワクチンの例

日本ではコロナウイルスが広まったときに、怖がる気持ちがSNSで一気に広まりました。そして、ワクチンを打つべきかどうかもSNSでみんなが話し合って、いろいろな思いこみが生まれました。こうして、SNSの情報がぼくたち・わたしたちの考え方をさらに強く変えてしまったんです。

これは、日本が「みんなと同じことをするのがいい」という考えを大事にする国だからです。だから、日本ではSNSの影響がとくに大きいのかもしれません。

第5章 どうやって思いこみを解くか

ぼくたち・わたしたちが「こうだ!」と思ったとき、それが本当に正しいかどうか、一度立ち止まって考えることが大切です。とくに、みんなが同じことを言っているときほど、自分の意見をしっかり持っていることが大切です。

もし、ちょっと変わった考えを持っている人がいたら、その人の話を聞いてみるのもいいかもしれません。新しい視点を知ることで、今まで思いこんでいたことが違って見えてくるかもしれませんよ。

結論

SNSの時代に生きるぼくたち・わたしたちは、たくさんの情報をすぐに知ることができます。でも、その情報が本当に正しいかどうか、みんなで同じことを信じていいのか、よく考えることが必要です。じっくり考えて、自分で「これが正しい!」と決める力をつけることが、SNSの時代に振り回されないために大切なのです。

いいなと思ったら応援しよう!