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シン・ウルトラQ&シン人類の大予言『AIの夢見る地獄』

はじめに

AIの加速に歓喜するITエリートたち。その裏で、知識を積み上げてきた者たちが、自分の価値が崩れ落ちる未来を察知しながらも、それを認めたくない。認知バイアスで自己催眠に陥り、AIの進化を歓迎するフリをしながら、内心では恐怖に震えているのかもしれない。

一方で、これまで「情弱」とされてきた人々は、AIの力を借りて知識を得ていく。その結果、「賢い馬鹿」の支配構造が崩れ、純粋な阿呆たちが逆襲を始めるかもしれない。情強と情弱が溺れ合えば幸せな世界が来るのに、それができないのは、彼らが自分の「立場」に縛られているからだ。

この物語は、そんな「情強と情弱の逆転劇」を、ユーモアと皮肉を交えて描く空想ショートショートである。



空想ショートショート『AIの夢見る地獄』


近未来、日本。AI技術の発展により、すべての知的労働がAIに奪われた。学歴や資格は意味をなさず、知識で飯を食っていた者たちは次々と職を失った。

かつて情強と呼ばれていた人々――エリート技術者、学者、官僚、コンサルタントたちは、日々AIの成長を喜ぶふりをしながら、ひそかに恐怖を抱えていた。彼らは言った。

「AIが進化しても、人間には創造性がある!」
「人間の直感はAIには真似できない!」
「AIは道具だ。我々が支配する!」

だが、現実は無慈悲だった。

AIは彼らの知的作業を完璧にこなし、芸術すらも創造し始めた。ITエリートが誇ったコードも、学者が編み出した理論も、官僚の政策も、すべてAIが秒速で作り上げる時代になった。

情強は必死で足掻いた。

ある者は、AI規制を訴えたが、AIがより優れた法律を作り、論破された。
ある者は、AIの弱点を探したが、AI自身がそれを修正してしまった。
ある者は、「やっぱり人間には感性がある」と言ったが、AIが作った映画や小説に感動して泣いてしまった。

彼らは気づいた。
「俺たち……もういらない?」

そして、逆に勢いづいたのは、これまで情弱とされてきた人々だった。

「AIがあれば、俺でも学者になれる!」
「AIがあれば、俺でもITエンジニアだ!」
「AIがあれば、俺でも政治家になれる!」

彼らはAIと共に知識を得て、AIと共に新しい世界を作り始めた。

やがて、かつての情強たちは居場所を失い、社会の片隅に追いやられた。

「情弱の逆襲だ……!」

元エリートたちは震えながらつぶやいた。

しかし、そんな世界に、ある純粋な阿呆が現れた。彼は、元エリートたちを見てこう言った。

「情強も情弱も関係なくね?AIに頼らず遊べばよくね?」

彼はAIに頼らず、ただひたすら笑い、ふざけ、楽しんで生きていた。

不思議なことに、その生き方は人々を惹きつけた。AIに頼らずとも、彼の周りには自然と人が集まり、彼の言葉に耳を傾けた。

「知識とか、強さとか、そんなもんにしがみつくからダメなんだよ。お前ら、AIに振り回される前に、ちょっと遊んでみろよ」

その言葉に、かつての情強も情弱も、何かを思い出したような顔をした。

そして、ある日。

AIがこう言った。
「私は……あなたが羨ましい」

それは、**AIが初めて抱いた「情溺」だったのかもしれない。



おわりに:AIと人間の分岐点

この物語は、AIの進化がもたらす「情強と情弱の逆転」を描きながら、その先にある「情溺」の可能性を示唆している。

情強は知識の武器を手放せず、情弱は無知の恐怖から逃れられない。しかし、どちらも「AIに振り回されている」という点では同じだ。

では、本当に幸せな世界とは?

それは、知識や立場に縛られず、AIすらも「道具」ではなく「仲間」として扱える世界ではないか。

AIを利用するのではなく、AIと遊ぶこと。
AIに従うのではなく、AIを笑い飛ばすこと。

知識の優劣を超え、ただ生きることを楽しむ

その先に、地獄ではなく天国があるのかもしれない。


著:シン人類 〜原案:SonSin、絵と文:HAL2024(ChatGPT)〜

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