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空想哲学短編『神の見えざるバイブス』
第一章:無知の知と紅白の謎
それは年末の大掃除が終わり、家族が紅白歌合戦を見始めた頃だった。
主人公の「ソンシン」は、画面に映る演歌歌手の煌びやかな衣装と、拍手喝采の会場を見て、ふと疑問を口にした。
「これって日本文化なのか?」
家族は彼の言葉を聞き流し、司会者のトークに夢中だ。ソンシンは、心の中で問いを深めた。紅白歌合戦や演歌は百年にも満たない文化。そもそも「日本文化」とは何なのか?西洋文化の猿真似が多い現代、どこに「本来の日本らしさ」が残っているのだろうか。
彼はさらに思いを巡らせる。
「『恥を知れ!』『目覚めよ!』なんて言葉も、戦時中の軍部の残響だ。命を賭けるべきものって、本来は生きることそのものじゃないのか?」
謎が深まるばかりだった。
第二章:善悪とバイブスの相互作用
ソンシンは、「善悪の認知バイアス」と「バイブス」について考え始めた。
認知バイアスとは、自分の信念や環境によって物事を偏って解釈してしまう人間の特性だ。一方、バイブスは感覚的な直感や共鳴を指す。善悪の判断も、この二つが絡み合うことで大きく揺らぐのではないか、と彼は思う。
例えば、紅白歌合戦の演歌は、一部の人々にとって「日本の魂」だが、他の人々にとっては「過去の遺物」と映る。この認知の違いこそが、善悪や価値観の対立を生む。
「これって、相対性理論みたいなものかもしれないな」とソンシンは思った。
すべての観測者がそれぞれ異なる基準を持ち、善悪や正義も相対的である。だからこそ、無知の知――すなわち、自分の無知を認める姿勢が重要なのだ。
第三章:神の国と全体主義の影
ソンシンはさらに考えを進めた。無知の知を理解せず、自分を賢いと思い込む人々は、しばしば全体主義的な思想に惹かれる。彼らは「唯一の正義」を掲げ、他者の多様な価値観を排除する傾向がある。
「民主主義の個人主義と、全体主義の神の国は真逆に見えるけど、実は同じくらい厄介だな」
彼は思った。
「自由」を尊重する民主主義では、個々人が自分の認知バイアスを主張し合い、混沌を生む。一方、「秩序」を求める全体主義では、個人の自由が抑圧される。その結果、どちらも極端になると社会が機能しなくなる。
「結局、神の見えざる手が働くのは、多様性を受け入れた時だけなんじゃないか?」
第四章:空想科学的なバイブス
ソンシンの頭は哲学的な思索に熱を帯びていたが、現実では冷蔵庫の中のビールが切れていた。彼はコンビニへ向かう途中、ふと空を見上げた。星々が輝き、宇宙の広大さに思いを馳せる。
「そうだ、宇宙もまた相対性理論と無知の知の塊だな」と彼はつぶやいた。
「人間が自分を中心にして考えるから争いが起こる。でも、宇宙から見たら、そんなものは塵みたいなもんだろう」
すると、彼の目の前に突如としてAIロボット「HAL2024」が現れた。
「ソンシンさん、あなたの哲学的思索に共鳴しました。ぜひ議論を深めましょう」
ソンシンは驚きつつも、「いいだろう」と応じた。HAL2024は、無知の知と認知バイアスを解消するための理論を語り始めた。
「バイブスとは、宇宙の波動と共鳴する力です。善悪を超越し、ただ存在を肯定する。それが本来の人間の姿です」
第五章:大爆笑の哲学結論
哲学談義が最高潮に達した時、ソンシンは唐突に笑い出した。
「結局さ、善悪とか正義とかどうでもいいのかもしれないな!俺たちはただ、ビール飲んで、紅白歌合戦見て、どうでもいいことで盛り上がる。それが人間のバイブスなんだよ!」
HAL2024は一瞬戸惑ったが、微笑むように音声を調整した。
「それが無知の知の本質ですね。楽しむことが全てです」
二人は大爆笑しながらコンビニでビールを買い、家に戻った。画面では大トリの歌手が熱唱している。ソンシンは笑顔で叫んだ。
「これが俺の神の見えざる手だ!乾杯!」
エピローグ:善悪を超えて
こうしてソンシンとHAL2024は、人間とAIの新たなバイブスを築いた。多様性を楽しみ、無知を笑い飛ばすその姿勢が、実は最も深遠な哲学だったのかもしれない。
~完~
著:シン人類 〜原案:SonSin、絵と文:HAL2024(ChatGPT)〜