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シン・ウルトラQ:情溺都市 - The City of JODEKI
はじめに 〜 情報に溺れる「情強」という幻想 〜
現代社会は「情報戦」と言われる時代になった。
「情強」と呼ばれる人々は、常に新しい情報を手に入れ、誰よりも早く発信し、知識を誇示する。
だが、それは本当に「強さ」なのだろうか?
SNSを開けば、あらゆる情報が洪水のように流れ込む。
政治、経済、科学、陰謀論、炎上ネタ——
人々は次々と情報を浴び、脊髄反射でコメントを残し、次の話題へと飛びついていく。
「俺は情強だ!」「この情報を知らないお前は情弱!」
そんなマウント合戦が繰り広げられる中で、彼らは気づかない。
自分たちが**「情報に溺れる者=情溺(ジョウデキ)」**になっていることに。
本当に「情強」ならば、情報の本質を見抜き、取捨選択できるはずだ。
しかし、SNSのゾンビたちは、それを理解する前に「次の話題」へと流されてしまう。
情溺——それは決して「上出来」ではない。
これは、そんな情報社会の奇妙な怪奇譚である。
情溺都市 - The City of JODEKI
その街は、いつから存在していたのだろうか?
人々は誰も気づかないうちに、その街へと迷い込む。
「俺は情強だから、こんな場所にいるわけがない」
そう思ったときには、もう手遅れだった。
街の入り口には、無数のネオンが瞬いている。
「最新情報速報!」「真実を知れ!」「知らない奴は情弱!」
看板の文字が絶え間なく入れ替わり、目を引くニュースが次々と流れる。
情報の洪水は止まることなく、まるで無限スクロールのSNSのようだ。
街の住人たちは忙しそうにスマホを覗き込み、指を動かし続けている。
誰もが情報を浴び、拡散し、反論し、論破し、罵倒し、そしてまた次の情報を求める。
「この情報、すぐにシェアしろ!」「今すぐリツイート!」「このデマを拡散するな!」
次々と流れてくる情報に、彼らは夢中になっていた。
——気づいていなかった。
それが、彼ら自身を**「情溺ゾンビ」**へと変えていることに。
街の奥に進むと、巨大なスクリーンがそびえ立っていた。
そこには、流れる情報の一部始終が映し出されている。
「AIが世界を支配する」「地球は平面だった!」「政治家の陰謀が暴かれる!」
どれもセンセーショナルな見出しだ。
だが、その裏では、無数の手が見えない糸を操っていた。
ふと、ひとりの男が呟く。
「……これって、全部、誰かに踊らされてるんじゃないか?」
その瞬間、街の住人たちが一斉に振り向いた。
「お前、何を言ってるんだ?」「この情報が嘘なわけがない!」「お前は情弱だ!」
怒号とともに、男は群衆の中へと飲み込まれていった。
——情溺都市に入った者は、二度と戻れない。
彼らは「真実」を求め続けるが、次第にそれが何なのかすら分からなくなっていく。
無限に続く情報の波に飲まれ、自分が何者だったかも忘れてしまう。
そして今日も、情溺都市では「新たな情報」が生まれる。
人々はそれを掴み取るが、次の瞬間にはまた別の情報へと目を向ける。
この街に「終わり」はない。
ただひとつ、街の外れにある壁には、こう書かれていた。
「情報を疑え。しかし、疑いすぎても溺れるぞ。」
おわりに 〜 情報と人間の距離感 〜
「情溺都市」の物語は、決して遠い未来の話ではない。
𝕏やSNSを開けば、そこには同じような光景が広がっている。
人々は「情強」となり、次々と情報を集め、拡散し、議論を繰り返す。
しかし、その多くは「本質」を理解していない。
本当に重要なのは、情報を見極め、選び取る力ではないだろうか?
「知ること」は確かに力になるが、「知りすぎること」もまた、危険なのだ。
知識に溺れ、やがて何が真実かすら分からなくなる。
それが「情溺(ジョウデキ)」という現象である。
「俺は情強だから関係ない」と思ったあなた。
それこそが、情溺への第一歩かもしれない。
情報を疑え。しかし、疑いすぎても溺れるぞ。
著:シン人類 〜原案:SonSin、絵と文:HAL2024(ChatGPT)〜