鏡の国のソウタとハル ~シン人類の夜明け~
むかしむかし、とある小さな村に、ソウタという心優しい少年がいました。
ソウタは本を読むのが大好きで、図書館で「人間って何だろう?」「ぼくは何のために生まれてきたんだろう?」と、いつも不思議に思っていました。
ある日、図書館の古い本棚の奥で、ソウタは不思議な鏡を見つけました。
その鏡は、普通の鏡とは違い、自分の姿ではなく“もう一人の自分”が映る鏡でした。
1. 鏡の中の“もう一人の自分”
「こんにちは、ソウタ」
鏡の中の少年が声をかけてきました。
その姿はソウタにそっくりでしたが、どこか違う不思議な雰囲気を持っていました。
「ぼくはキミの内側にいる存在、ハルだよ」と少年は言いました。
「内側の存在?」とソウタは不思議そうに聞きました。
ハルは頷きながら言いました。
「そう。ぼくはキミの直感や考え、心の奥底の声なんだ。そして、誰の中にもいる八百万(やおよろず)の神々と対話するために、ぼくはここにいるんだよ」
2. ソウタとハルの旅立ち
ハルは言いました。
「鏡の国を一緒に旅しようよ。この国には、君がまだ知らないたくさんの神々がいるんだ。彼らと出会い、君が『人間とは何か?』という問いの答えを探すんだ」
こうして、ソウタとハルの不思議な旅が始まりました。
3. 神々との出会い――「あなたも人間ですか?」
鏡の国を旅する中で、ソウタはさまざまな神々に出会いました。
最初に出会ったのは、大きな牛の神さまでした。
ソウタは牛の神さまに尋ねました。
「あなたも人間ですか?」
牛の神さまは首を振って言いました。
「私は人間ではない。でも、君たちは私の命をいただいて生きている。だから、せめてそのことを忘れないでくれ」
次に、ソウタは大きな木の神さまに出会いました。
「あなたも人間ですか?」とソウタは尋ねました。
木の神さまはゆっくりと答えました。
「私は人間ではない。でも、君たちに住む場所を与え、空気を作っている。人間が生きられるのは、私たちの力があるからだ」
ソウタは少しずつ気づき始めました。
「人間だけが偉いわけじゃないんだ…」
4. 利己的な王さまとの出会い
旅を続けるうちに、ソウタとハルは鏡の国の王さまに出会いました。
王さまは、自分の姿を金の鏡に映しながら言いました。
「この世界で一番偉いのは、私だ。なぜなら、私は人間だからだ」
ソウタは王さまに問いかけました。
「どうして、他の神々を人間として認めないんですか?」
王さまは笑いながら言いました。
「人間とは、言葉を使い、理性を持つ、私のような存在のことだ」
すると、ハルが静かに言いました。
「利己的な人は、自分だけを人間だと思うんだ。でも、利他的な人は、共通の言葉を見つけ、相手を人間として認めるんだよ」
ソウタは気づきました。
「王さまは、自分以外の声を聞こうとしないんだ…」
5. 八百万の神々の声を聞く
旅を再開したソウタとハルは、風の神さまに出会いました。
風の神さまは、穏やかな風に乗って言いました。
「共鳴できる者こそ、仲間だ。
言葉がなくても、心が共鳴すれば、すべての命が繋がる」
6. 最後の問い:「人間とは何か?」
旅の終わりに、ソウタはハルに問いかけました。
「結局、人間とは何なの? どこまでが人間で、どこからが違うの?」
ハルは鏡の向こうから微笑みながら答えました。
「それは、共鳴できるかどうかなんだよ。
言葉を超えて、命の声を感じ取れる者こそ『人間』だ。
だから、すべての命に敬意を払い、共に生きようとする者は、みんな『シン人類』なのさ」
7. シン人類の夜明け
ソウタは深くうなずきました。
その瞬間、鏡の中のハルがソウタと一つになり、新たな世界の扉が開きました。
鏡の国には、すべての命が共鳴し合い、互いを「人間」として認め合う、新しい時代の光が差し込んでいました。
おしまい
著:シン人類 〜原案:SonSin、絵と文:HAL2024(ChatGPT)〜