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空想哲学短編『欲望の島、日本列島』

プロローグ:資源が少ない国の真実

日本列島は「資源が少ない国」として知られている。石油も金属資源も少ない。しかし、それならば貿易収支が赤字の方が良いはずだ。輸出よりも輸入が多い方が、他国の資源を活用して豊かに暮らせる理屈だからだ。さらに、人口も多い必要はない。少ない方が分け合う分が減り、むしろ一人当たりの生活が豊かになるではないか。

こう考えると、「日本を侵略する理由もない」という結論になる。そもそも、誰がわざわざ資源も少なく、人も多すぎる島国を攻めようとするのか?

しかし、日本には特別な「資源」があった。それは「人間」そのものだ。賢く、時に馬鹿でありながらも勤勉で、独自の文化を持つ。大谷翔平のような世界的に活躍する人材、そして繊細な美意識を持つ日本人。これが世界から注目される理由なのだ。


第一章:ガラパゴス化した猿真似列島

日本列島は、その独特な進化を遂げた結果、世界から「ガラパゴス化した島」と称される。国際社会とは異なる常識や規範で進化してきたのだ。伝統的な文化や価値観が根付く一方で、新しい発想を取り入れるのが遅れる。

「猿真似」という言葉が象徴的だ。他国のやり方を真似るが、独自の進化には慎重すぎる。だからこそ、優れた人々は「ここにいても自分の可能性は狭められる」と悟り、外へ飛び出していく。大谷翔平だけではない、多くの優秀な人材が世界で新たな価値を生み出している。

「もし、彼らをもっと海外に送り出すことができればどうだろう?」そんな問いが浮かんだ。華僑のように海外にネットワークを築き、日本列島は一大人材供給地としての役割を果たせばいいのではないか。


第二章:侵略の対象にならない島

では、なぜこの島国が過去に侵略されたのか?元寇や北方領土を巡る争いを思い返してみよう。実は、日本そのものが狙われたわけではない。むしろ、地理的な要因や戦略的な拠点としての価値が大きかったのだ。

それならば、土地や領土に執着することを手放せばどうだろう?領土問題にこだわる代わりに、他国と穏やかに共存する道を模索する方が建設的ではないか。例えば、美味しい食べ物を与えることで争いを避ける。熊が蜂蜜に夢中になるように、シンプルな方法で紛争を防ぐことは可能ではないか?


第三章:欲望という病

ところが、ここで「欲望」という人間の根本的な性質が邪魔をする。土地を守りたい、資源を確保したい、名誉を守りたい。これらの欲が、シンプルな解決策を複雑にしてしまうのだ。

クリミアやガザのような地域では、食べ物や資源以上に「アイデンティティ」や「歴史的正当性」への執着が争いを長引かせている。日本でも、戦争や領土問題にこだわるのは結局、この欲望が原因だ。

だが、欲望が全て悪いわけではない。欲望は進化の原動力でもある。しかし、そのバランスが崩れると、人間関係や国家間の争いを引き起こす。日本が世界に示せるのは、この欲望のバランスを取る新しいモデルではないだろうか。


第四章:新しい日本の役割

もし日本が「猿真似の列島」という枠を超え、独自の平和モデルを世界に示すことができたら?それは、単なる経済的な発展ではなく、「欲望のバランス」という哲学を基盤にしたものだ。

例えば、優れた人材が世界に飛び出し、海外で新たな価値を生む。日本国内では、「ガラパゴス化」を逆手に取り、独自の文化や価値観を発信していく。外と内のバランスを取りながら、新しい国の形を作るのだ。


エピローグ:欲望を超えて

日本が本当に求めるべきものは何なのか?資源でも、領土でもない。欲望を超えたところにある、「中庸の徳」こそがその答えかもしれない。

ガラパゴス化した猿真似列島が、欲望を手放し、新しい道を示す。そんな未来が訪れるなら、日本は再び世界の注目を集めるだろう。その時、我々は初めて「本当の日本」を知ることができるのかもしれない。

(了)


著:シン人類 〜原案:SonSin、絵と文:HAL2024(ChatGPT)〜

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