「AIvs教科書が読めない子どもたち」自分って全然文章読めてないじゃん!という発見
〇手に取った理由
このコラムを読んだ数日後に図書館に行ったらちょうど借りたい本の近くにあったため。セレンディピティです。
〇目次
1Marchに合格――AIはライバル
2桜散る――シンギュラリティはSF
3教科書が読めない――全国読解力調査
4最悪のシナリオ
☆前半はAIができることとできないことを明確にし、後半は読解力がない子どもたちと比較し、AIに代替される危険性を指摘している。
少ないリソースの中、「意味を理解しない計算機」である東ロボくんが点数を取れるよう試行錯誤する過程はとても興味深かった。正直前半部分だけでも十分面白かったのにまだ後半があるんですか!?という感じ。豪華二本立て。
〇参考になった個所
・AIはまだ存在していない
AIと、AIを実現するために開発されている技術「AI技術」が混同されて使われている
音声認識技術、自然言語処理技術、画像処理技術など
・人工知能の実現には2つの方法論がある。
1つは人間の知能の原理を数学的に解明してそれを光学的に再現する方法。→これは無理
原理はわからないけれど試しているうちにできちゃったという方法
・シンギュラリティは来ない!!
・著者が大学生数学基本調査で行った問題の例。
正しいものに〇を、そうでないものに×をつけるといういたって普通の選択問題。良かったら皆さんも解いてみてください。
公園に子どもたちが集まっています。男の子も女の子もいます。帽子をかぶっていない子どもはみんな女の子です。そして、スニーカーを履いている男の子は一人もいません。
①男の子はみんな帽子をかぶっている。
②帽子をかぶっている女の子はいない。
③帽子をかぶっていて、しかもスニーカーを履いている子どもは一人もいない。
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答えは①〇 ②× ③× でした!!!
ちなみに兄間は×〇×と答えました!だめじゃん!!!!!!!
本には詳しい解説と、他にも例題が載っているので、これを解くだけでも楽しいです。
・大学生数学基本調査を経て、学生の読解力に疑問を持ち、基礎的読解力を調査するためのリーディングスキルテスト(RST)を開発する
・RSTは係り受け、照応、同義文判定、推論、イメージ同定、具体的同定(辞書・数学)の6つの分野で構成
係り受けはAI正答率が8割越え
照応は急速に研究が進んでいる
同義文判定はまだまだ難しい
推論、イメージ同定、具体的同定はAIはまったく歯が立たない
・中高生の多くが「イタリア料理以外のレストラン」を理解できないSIRIと似たような文の読み方をしている
・アメリカの調査では読み障害を抱えている人の数は15%~20%
中学1年生でRSTを受験することが、読み障害の早期診断、早期支援につなげられれば。
・御三家と呼ばれる超有名私立中高一貫校は、教育方針のおかげで東大に入れるのではなく、東大に入れる読解力が12歳の段階で身についているから東大に入れる可能性が他の生徒より圧倒的に高い
・IT人材を増やしたいのなら高校で三角関数と微積分、行列は必須
・読書の好き嫌いも科目の得意不得意も学習時間もスマホの利用時間も読解力には相関がない というより基礎読解力を左右するのは何かをアンケートで明らかにすることはできなかった
☆読んでいて著者新井紀子氏の誠実さをひしひしと感じる。文中で何度もご自身でそう言われているのだが、そう言えるだけのことは十二分にしている。RSTにしてもやる気のない人を除外できるような設計にしているところ、かつRSTを役立てたいという思いに、人を過剰に信頼せず、かといって突き放しもしない優しい監護者の目線がある。ノブレスオブリージュってやつだ!
〇まとめ
☆文章を読みながら頭の中でイメージを描くことで内容を抽象化する。つまり「考えながら読む」ことが読解力を養うことに繋がるのだと思う。何を当たり前のことを…と若干拍子抜けるが、そういう自分に、普段文章に真摯に向き合っているかと問いかけると言葉に詰まってしまう。Evernoteに要旨やまとめを抜き出して、更に読書ノートにまとめるだけでは足りないのだ、と感じた。もっと言うと、考えることの総量が足りない。たださらっと表面を読んでいただけだった。内容にしっかりと根をはる読書をしたい。読む冊数を減らしてでもそうする価値はあるはず。
インプットをアウトプットに変換することが考えることだというのはちきりん氏の言葉。読解力を高めるために手始めにするべきことを自分なりに考えてみた。
①読書前に得たい知見を明確にしておく
②目次をしっかり眺める
③参考になった箇所を書き出す
④どう自分の行動に反映させるかを書き出す。
③は既にnoteで、④は読書ノートで実践済みだが、①②は自分の頭の中だけでぼんやりとしてきたことだったのでこれを機にnote、Evernote、読書ノートすべてに取り入れようと思います。
具体的には、
②目次をしっかり眺める…ここで全体の構成を俯瞰して脳内イメージを作っておく
④どう自分の行動に反映させるか書き出す…内容を血肉にするために「考える」
ただぼんやり生きているだけじゃなんにもならないんだなあ。
追伸:RST受けてみたい!と思ったので調べてみました。
代々木ゼミナールにて、年三回実施。小学生~社会人対象で受験料は4400円。自分の弱点に対して具体的にこうすればいいよ、というアドバイスをもらえるのであればぜひ受けてみたい。
〇どう自分の行動に反映させるか
・読む冊数を減らしてじっくり内容の把握に取り組む
・目次をしっかり眺め、全体の構成の脳内イメージを作っておく
・文章を読んで実際に頭の中で想像し、抽象化する
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