【東九条マダンで大万物祭を挙行します】
【東九条マダンで大万物祭を挙行します】
『叫びと祈り』
来月11月3日日曜日、平山が生まれ育ち今も暮らしている京都市東九条地域のおまつり「東九条マダン」にて大万物祭を挙行します。
その土地に生まれ、その土地にながく暮らしているとその土地について語る事などできない。その土地を生きることはもう自分だけの人生ではなくなる。自分自身を語ることですらもう自身の周りの人間のことを語ることになる。この土地を生きる痛みを知るものならば他人のことを易々と語ることなどできない。自分自身を語ることですら否応なく他者を傷つけることになる。だから沈黙せざるをえない。この土地にはそんな「物語られない物語」がたくさんある。強いられた沈黙のなかに、そうせざるをえない沈黙のなかに、硬く秘めて守って来た沈黙の中に、決して明かされない沈黙の中に。
かつてこの土地には叫びがあふれていた。大地が割れるような叫び、天が引き裂かれるような叫び、風が吹き抜けるような叫び。かつてこの街はみんな陰気だけど元気があって笑いながらいがみ合って狂いながらなんとか生きていた。自分自身をうまく物語るようなことばなんてみんなもっていなかった。苦しみ、悲しみ、喜び、愛おしさすらうまくことばにできなかった。だからみんな叫んでいた。沈黙しながら叫んでいた。
そんな叫びはまともな人からはさぞかし狂っているようにみえただろう。だけど沈黙せざるをえなかった者、そしてじぶんを「物語る」ことばをもたなかった者は叫ぶしかないじゃないか。でもその叫びは祈りだ。誰が何に何を祈っているのかすらわからないけどそれは祈りだ。
生きていくには物語はそりゃあ、大切だろう。だけどその物語は誰かの沈黙を踏みにじっている。そしてその物語は誰かの叫びを「狂っている」と断じて排除し、祈りを世迷言だと嗤うんだろう。みんな物語ることばかりに必死になってみんな祈りを忘れてしまった、叫ぶ事すらしなくなった。多様性、多文化共生、アート、そんな「物語」が現代には必要なんだろう。それもわかる。だけど、だけど、だけど、だから、きれいで大きな物語が沈黙を書き消し去るまえに、おれは叫び、祈り、狂う。街には物語と倫理が必要だ。だけど大地には叫びと祈りが必要だ。人間のこころ身体は大地に根ざしている。街じゃない、大地と天空だ。大地と天空を失った人間は人間じゃない。だから「人間が人間でありますように」と叫び祈る。この叫びは、かつてこの東九条を生きた人たちの叫びと祈りだ。そして死者たちの叫びと祈りだ。
だからもういちどこの土地に、かつてここにあった叫びと祈りを捧げたいとおもいます。万物が万物に万物を捧げる「大万物祭」、東九条マダンでやるのは恐らくこれが最初で最後でしょう。
「人間が人間でありますように 万物が万物でありますように」
平山がこの土地でうまれ生きて来て、このこころ身体に今も息衝くすべての人と死者と全ての思いを込めて大万物祭、挙行します。
いつも平山がやっている公演とは趣のちがうものになりますが、是非見に来ていただけるとうれしいです。平山の「大万物祭」は12時05分から開始です。10分間の短い時間ですが、この一瞬に全てを炸裂させます
第32回 東九条마당マダン(ひろば) ■入場無料■
日 時:2024年11月3日(日)午前11時~午後3時
*雨天の場合は11月4日(月)に延期
場 所:元・陶化小学校(下の地図参照)
(〒601-8027 京都府京都市南区東九条中御霊町55、京都市営地下鉄「九条」東へ徒歩5分、京都市バス「九条河原町」バス停すぐ、JR京都駅から南へ徒歩12~3分)
※自転車・バイクでのご来場はご遠慮ください。市バス・地下鉄をご利用ください。
■主催:東九条마당(マダン) 実行委員会
MAIL:hkm@h-madang.com
■協賛:凌風学園PTA
■後援:京都府・京都市・京都府教育委員会・京都市教育委員会
■主な内容:プンムルノリ、マダン劇、和太鼓&サムルノリ、のど自慢、体験コーナー、各種展示・出店ほか
*自動車・自転車・バイクでのご来場はご遠慮下さい。
*ご来場には市バス・地下鉄をご利用ください。
*手指消毒・咳エチケットへのご協力をお願いします。
*会場内での喫煙・飲酒はできません。