絵本 クヌギ森のオバケランチ その1

画像1 絵本 クヌギ森のオバケランチ どうぶつ出版社
画像2 春も過ぎたある日、たくさんの昆虫たちが暮らすクヌギ森に、暖かい風が吹きました。その風を感じて、数か月ぶりにクワガタが冬眠から目を覚ましました。
画像3 クワガタが体に着いた泥を払っていると、後ろの切り株から、何やら話し声が聞こえます。 どうやら、テントウムシとゾウムシがおしゃべりをしているようです。
画像4 「ねえ、聞いた?クヌギ森の奥の方で、こわ~いオバケが出るらしいよ」 「どうやら、空を飛び回るオバケらしいね」 テントウムシとゾウムシは、オバケがとても怖いようです。
画像5 クワガタも一緒にオバケの話をしていると、遠くの方からカブトムシがやってきました。 でも、ちょっと様子が変です。 なんだか、フラフラしているようす。
画像6 って!アレッ!?エッ!? なにかが、カブトムシの背中についてます。 これは、ウワサのクヌギ森のこわ~いオバケではないでしょうか。 みんな驚いた様子でカブトムシを見つめました。
画像7 「やあ、みんな・・・、ひさしぶりぃ・・・」とカブトムシは弱々しく、昆虫たちにあいさつをしました。 カブトムシの背中には、オバケがいるようです。
画像8 昆虫たちは、オバケがちょっと怖いので、少し離れたところから、カブトムシに「どうしたの?」と聞きました。 「・・・うん、つい先日ね・・・」
画像9 カブトムシがクヌギ森を散歩していると、「オバケランチ」と書かれた看板がありました。カブトムシは「何だろう」と思い、通り過ぎようとしたとき・・・
画像10 どこからか、「コッチよー、コッチよー」と呼びかける声が聞こえたのです。
画像11 声のする方へ行くと、大きな木から蜜が流れ出ていました。 カブトムシは「素敵な蜜の木ね~」と思わず声をあげました。 すると、また「どうぞ、どうぞ」と声が聞こえてくるのでした。 そこで、カブトムシは遠慮なく、大きな木の蜜を頂こうと、木に登っていきました。
画像12 カブトムシが蜜を舐めようとしたとき、ドーンと何かが体当たりしてきました。 そこで、カブトムシの記憶は途切れてしまったのです。
画像13 しばらくして、カブトムシは目を覚ましましたが、なんだか体が重いような、体調が悪いような感じがしたのです。 そうして、何とか、みんなのいる切り株までやってきたのでした。
画像14 ぐったりするカブトムシを見て、クワガタも何とかしてあげたいと思い、オバケに話しかけてみることにしました。 「ねえ、オバケさん、君はなんていうのかな?」
画像15 すると、オバケは答えました。 「うん、ボクね、むかしむかし、みんなと一緒に夏祭りをしてとても楽しかったんだ、鳥に食べられちゃったけど」 「あ、あの時のセミか!」 クワガタはクヌギ森の夏祭りのことを思い出しました。

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