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満を持して、新宿アルタビジョン前に行ってきた。
新宿アルタ前という場所が、私の”行きたい所リスト”の一番下を陣取ってから、もうずいぶんと経った。一度は必ず訪れたいと何度も口にしてきたけれど、それは所詮”いつか”の棚にあって、それでも充分叶えられることだろうと思っていたら、数か月前、突然の知らせが飛び込んできた。
2025年2月に新宿アルタが営業を終了。
そんな見出しを前にしては、もう悠長にしていられなかった。
ということで、急遽決まった一泊二日の東京旅行。身体的な理由で諦めてきたことが私には沢山あって、そのうちに遠出も入っていたのに、一度決意してしまえば案外すんなりと予定が組めた。一人では些か不安があるので、同伴者を連れて行ってきた。
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その場にいたのは、30分足らずだったと思う。
まずもって東京の人の多さが私のような人間にはしんどくて、持ち前の体力のなさと蓄積した疲れから、その場で追憶にふけるほどの余裕はなかった。
しかし一日目の夜、ホテルのベッドの上で書いたメモが残っていた。今思い返して作る文章よりは鮮やかさがある気がしたので、ここに残しておく。
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行けてよかったなあ。
数日前の私も長々と語りながら、結局はそう言って寝落ちている。
本当に、行くことができてよかった。黛の活動終了を経て、おかげさまで後悔は飽きるほどしていたことが、私の背中を押した。
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営業を終了するまでの半年も、営業を終了するその日も、新宿アルタ前は、2021年6月19日の様子と遠く離れた姿をしているんだろう。
多分きっとそれでいい。日常の風景があるからこそ意味のあるあの映像を、せめて最後までは生かして欲しい。
新宿アルタビジョン、ありがとう。どうか美しく幕を下ろすことができますように。