『水の中のナイフ』ポランスキーの処女作
『水の中のナイフ』(ロマン・ポランスキー監督1962年ポーランド)
ポランスキーが故国ポーランドで制作した唯一の映画作品にして処女作。多分に脚本を書いたイエジー・スコリモフスキーの趣味もあり、また撮影のイエジー・リップマン(ワイダの『 世代』の撮影カメラマン)の絵作りもあるが、この作品はより「ヨット、海(この作品は湖)、爛れた男女の関係、反抗的な若者」など「太陽族映画」の構成要素を持ち、またその影響を受けたフランスのヌーヴェル・バーグの亜流として製作されたのかも知れない。ポーランドのヌーヴェル・バーグと言える作品だ。日本公開時(1965年6月以降)観てからポランスキーが好きになった最初の映画となった。
また登場人物はたった三人の密室ドラマに、社会主義国の映画とは思えない物憂いメロディとJAZZの演奏をつけた音楽のクシシュトフ・コメダがいい。この映画を何倍も魅力的なものにしている。
評価(★★★1/2)
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