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上級者のSF6、観てて面白くない

この記事はSF6についての私の感想です。界隈を批判、否定するものではありません。

私の格ゲー歴についてですが、若いころはゲーセンでガッツリこなしてたんですが、現在では基本、動画勢です。(でもGGSTは少しやってる)
SFL観てますか?私はたまーに見る程度です。SFL2022は追いかけてたんですけどね。
格ゲーの魅力を今更語る必要もないとは思いますが「攻撃を当てて相手の体力を減らした方が勝ち!」という明白さ、「1ラウンド99秒という短時間決戦」という点が観てても面白い!そして動画配信コンテンツとの相性もいいというのも追い風ではないでしょうか?(もちろんプレイする方が面白いですよ!)

格ゲーのタイトルごとの特徴について

格ゲーは色々なタイプのタイトルがあります。現在稼働している有名タイトルでザックリと分類すると以下のようになります。
【ストリートファイター6】
大人気の王道の2D格闘ゲーム。ジャンプ攻撃、飛び道具、対空技と色々な攻防が魅力的。ドライブラッシュという共通システムにより、自身のリソースを糧に相手の懐に潜り込める。作品全体を通してリスクリターンのバランスが良く、「モダンタイプ」という新規層でも楽しくプレイできる機構も備えている。

SF6 本当によくできてます

【ギルティギアストライブ】
これも人気の2D格闘ゲーム。共通システムがかなり興味深く「攻めた方が偉い!守り続ける奴はクソ!」という設計思想がゴリゴリに出ている。SF6のようにジャンプ攻撃から対空技までそろっているが、空中ダッシュも(ほぼ)共通システムなので、悪しき「飛び道具→対空」が空気になりやすく、とにかくガンガン前に出るのが面白い。
また「画面端が壊れ、仕切り直し」というシステムのため、画面端から出られないという事が起こりにくい。(その代わり画面端を壊した側は莫大なリソースをもらえる)
試合の内容が大味になりがちだが、観ててめっちゃ楽しい。

GGST アニメ調だけど派手でおもろい

【鉄拳8】
3D格闘ゲームなので、上の2タイトルとは毛色が全然違う。
まず、2D格闘ゲームのぴょーんと飛ぶジャンプ攻撃や、歩きが(ほぼ)無い。基本的には前ステップから地上戦。で、上中下択や技の空振りから攻防が入れ替わる。ダウン無敵がないので、攻めが継続しやすく、コンボも2Dとは違う迫力がある。

鉄拳8 地上で殴り合うこの楽しさよ

これは完全に好みですが、私がプレイしてて楽しいのはGGSTですね。
「飛び道具→対空」って本当にしょうもないシステムだと思ってるので…。

競技シーンのSF6どうなっとる

SF6はゲームバランスが非常によく設計されているため、競技シーンも人気があります。でも私はSF6のプロの試合、観ててクッソつまらないんです。いや、語弊があるな。水面下の読み合いや択を通した時のヒリつき、ここはめっちゃ興奮するんですが、ゲーム上の絵面がつまらないんです。

【遠距離戦】
ジャンプ攻撃が届かないので飛び道具のけん制が強くなります。ドライブラッシュしようにも見てから小技で止められます。お互いリスクリターンが少ないので、選択肢として現状維持も別に悪くない状況。こうなると試合が硬直するんですが、プレイしているプロもこの状況はお互いクッソつまらないと思ってるはずです。とは言え、この状態は少なく、大体の場合は自然と中距離戦に移行します。
【近距離戦】
技を振れば敵に当たる、密着に近い距離ですが、ガードされると手痛い反撃がくるので隙のない小技しか振れません。ガードが重要になるので投げで崩します。密着状態の起き上がりの攻防が始まります。密着状態だと、負うリスクと成功時のリターンが膨大になるのでギャンブルでパナすか、数フレームを読み合うモゴモゴした空気の中、取り合えずの暫定的な行動として再び投げで崩します。プロプレイヤー二人が連続して投げをモミモミしてる絵面がヤバいです。
【中距離戦】
色んな選択肢で攻防ができる。プレイしてて一番面白い状況なんですが、プロだとジャンプ攻撃が少なくなります。理由は単純で対空で返され、状況が悪くなるからです。ジャンプ攻撃のリターンが見合ってないんですね。
技を振っても先端でガードさせるので、反撃も怖くない状況です。という事は通常技で牽制し合います。隙が少なくリーチが短い小技はあまり使わないのでキャラによってはラッシュで強引に詰めたりできます。この状況だと「敵の空振りにこちらの技を当てる」というリターンを取り始めます。

この地上戦の駆け引き、鉄拳やん?

「敵の空振りにこちらの技を当てる」
この状況、絵面やばくないですか?キャラが持っている長くて判定大きい隙が少ない技をブンブンしてるだけなんです。いや、プロプレイヤー達が光よりも速く地球よりも重い判断で、命がけで技を振ってるのは判るんです。でも、技こそ振ってますが、やってることは「待ち」なんですよ。競技シーンはこの状況がクッソ多いんです。
当然、技が当たったらパニッシュカウンターになるのでラッシュで特大リターン!もう、この場面マジで見飽きました。

ハイシンダー!

いや、キャラによってはちゃんとジャンプ攻撃して~みたいな中距離戦あるので、全部の試合がSF6で鉄拳してるわけじゃないんですよ。
攻防も、知識がある場合「差し替えし」「有利フレーム」「ファジー」「遅らせ」とか起点の駆け引きが見えるのでまだスリルを感じるんですが、知識がない初心者が見たら「待って大Kブンブンしてパニカンを狙う」「連続で投げてモミモミする」ゲームに見えますよ。

それでもSF6はいいゲームだと思うよ!

私も格ゲーがコレだけ新規層を獲得できるなんて思ってもみませんでした。
これはひとえにプロたちによる地道な努力と優しさのおかげだと思います。
ブームで終わらず、定着してくれると良いですね!

余談

ときど選手の著書の中に記載してあった言葉がとても印象的だったので紹介させてください。(原文ではないですが、こんなこと書いてありました)
 
『普通の格闘技と違い、格闘ゲームのパンチやキックの性能はボタンさえ押してしまえば、上級者でも初心者でも全く同じ。同じ速さで出て、同じ威力があり、差が全く無い。でも不思議なことに、初心者は上級者に勝つことはできない。ボタンを押す事以外に様々な要因があり、それこそが格闘ゲームの魅力なのだ。』

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