魅世物小屋に魅せられて(後編)~BUCK-TICK「魅世物小屋が暮れてから-SHOW AFTER DARK」
こんにちは。hirokoです。
昨日に引き続き、BUCK-TICKのStreaming Live「魅世物小屋が暮れてから-SHOW AFTER DARK」第二幕について。
今回も思いっきりネタバレしています。
まだご覧になっていない方は、ご注意ください。
***
アコースティックアレンジ多めの第一幕を終えて、すでに相当な満足度。
濃い。濃すぎてくらくらする。鼻血でそう。
そんな状態で息つく間もなく始まった第二幕は、意外なアレンジに驚いたあの曲から。
第二幕
あっちゃん、赤い着物(少し短め)にお着替え。
「蜉蝣」のMVで赤い長襦袢を羽織ったあっちゃんの姿に一瞬で心奪われたのよねぇ。(しみじみ)
1 ICONOCLASM
え?これ何?メロディがあるってどういうこと!?と画面の前でひとり混乱。スローテンポ+あっちゃんのセクシーポーズがじわじわとおもしろくなってきて、変なテンションに。おまけに後半画面が固まって、混乱したまま放り出されて一層混乱。
もはや別の曲。新たな世界。CLASH&CLASH。破壊に次ぐ破壊(と再生)。これは天使のササヤキの賜物なのか。こういう予想もつかないアレンジ、さすが今井さん。
外野が何を言おうがアイコノはやり続ける!という決意表明のようでもあり。でも外野の声からこのアレンジが生まれたとしたら、それは嬉しいことだったりして。こっちのバージョンもライブで聴きたいよ。ライブでアイコノ、楽しいからやめないで欲しいよ!
2 キラメキの中で
画面が復旧せず、流れてくる「キラメキ」「白鳥の湖」のコメントに身悶え。みたいー!すきなのよー!なのに結局リアルタイムではほとんど観られず。アーカイブありがたい。
圧巻の櫻井敦司劇場。歌い重ねるほどに濃くなる狂気と倒錯。醜さと美しさ、狂気と愛の危うい均衡。ダークで重厚な世界に引き込まれる。この曲は何度観ても、口をぽかんと開けて見入ってしまう。
3 サファイア
きゃー!エロスな敦司!と思ってしまうのは、2017年のDIQのせいです。
膝をつく。赤い着物が肩から滑り落ちて二の腕が露わになる。もうそれだけで、見てはいけないものがまた始まるのでは…と期待しているハシタナイワタクシ。あっちゃん…あの動きとファルセットの組み合わせは…刺激が強すぎますよ。(そう言いつつ、しっかり見ますけれどもね)
2017年より露出が少ない今回のほうが、いっそ淫靡な気がするのはなぜかしら。
4 Django!!!
これはねぇ、楽しい。楽しいよねぇ。ライブだとぴょんぴょんはねて、踊り狂っちゃうやつ。今井さんが楽しそうで、嬉しくなっちゃうやつ。ノリノリで楽しくて、妖艶。歌詞を表現するあっちゃんの手の仕草が好きすぎます。ユータのベースがずうんと響いて気持ちいい。また会場で踊りたい。
5 RONDO
今井さんが、ステージから、降りたーーー!!!
むしろここまで降りてなかったことに驚く。
広い空間で心なしかのびのびしているように見えた今井さん。カワイイ。
あっちゃんの猫仮面がお茶目。赤い着物のせいかお狐さまに見えてしまい、ふふふ。となりました。この曲も最初から、指の先までぬかりない美しさなのよねぇ。
6 Moon さよならを教えて
白いレースのヴェールを被るあっちゃんは、聖母マリアさながらの美しさ。
本当にねぇ、この人は変幻自在。マリアベールお似合いよねぇ。
この衣装、「蜉蝣」の遊女や花魁に加えて、隠れキリシタンのイメージも浮かんできた。曲とはまったく異なるイメージが浮かんで、思いがけない想像が膨らむのも、BUCK-TICKの楽曲の面白いところ。ちいさなきっかけから浮かんだイメージは、思いがけないところに着地する。
いつも「Under the Moonlight」でにこにこ歌うユータさん、今回笑顔なし。渋くて硬派なベーシストに、にんまりする。
最後、さよなら。と手を振るあっちゃんに、毎回きゅんとする。
2018年のDIQで、あまりに儚くてそのまま消えてしまうのではないか。と怖くなったことを思い出して、元気でいてくれて、また新しい世界を見せてくれてありがとう、と思う。
7 Alice in Wonder Underground
イントロだけで飛び跳ねちゃう。とにかく楽しくて大好き。
あっちゃんの美しい腕がまた見られて嬉しい♡
のっけから羽をたたんだり、お願いしたりするあっちゃんが可愛い。
Let’s GO!のあと、足踏みするあっちゃんが可愛い。
腰に手を当てて足踏みするあっちゃんも可愛い。
Devil &Angel&~ で広げる禍々しくも美しい羽が美しくてぞくぞくする。
あっちゃんを見ていると腕って翼の名残りだって、しみじみ思う。
8 ONCE UPON A TIME
未来への希望や光を感じて、胸がいっぱいになった。
今ここから、また始まる新しい神話。悲しみの先にある未来。
この曲は、不安や閉塞感を抱えている私達へのエールだ、と思った。
今井さんの言葉は力強い。暗がりできらめく道標みたい。
アニイの後ろで笑うあっちゃん。
このツーショットは、すっごく幸せな気持ちになる。
9 幻想の花
ここで幻想の花なんだ…って、すごく胸に迫るものがあった。
いつかライブで聴きたいと思っていた曲。なんて美しいんだろう。
「ONCE~」の未来を照らす白く眩い光や未来永劫続いていく神話と「幻想の花」の今ここで咲き誇る花の対比。永遠と刹那。
2021年の今強く感じたのは、この世界は美しくて狂っている。毒も蜜もある。わたしたちは、ここで命を燃やすだけなんだ、ってこと。たとえすべてが幻想で狂気の沙汰だとしても。
10 夢見る宇宙
あああぁ、夢見る宇宙きたー!!!ギリギリだった涙腺、崩壊。
これは泣く。イントロで泣く。
2012年の初参戦、2018年あっちゃん復帰の武道館ラスト。他にもこの曲には思い入れがありすぎて、イントロだけで感極まってしまう。
BUCK-TICKに出会った頃の、あの訳の分からない衝動とかのめり込み具合。あっちゃんへの尋常じゃない想い。そこに積み重なった出会いと思い出。変わったもの、変わらないもの。次々に浮かんで、泣けてくる。
大好きな曲に思い出が積み重なって、もっともっと好きな曲になっていく。大好きな人たちと同じ時を重ねられるって、幸せなことだ。
今井さんのきらきら星。初めて聴いた時、なんて優しいんだ!!って思った。あったかくて、きらきらしてて、包み込まれるようで。初めてのライブで意識が遠くに飛んじゃったのを、そっと引き戻してくれた。
いろんな意味で、原点回帰の曲。今回は聴けると思ってなかったから、思いがけないご褒美のようで本当に嬉しかったな。
エンディング
OPと同じく、重なり廻るコラージュ。「FIN」の文字を目にしても、なかなか現実に戻り切れなくて、しばらくぼんやり。美しく妖しい夢の世界から現実に戻るのがなかなか困難でした。
最後に
「魅世物小屋が暮れてから」の感想、これにておしまいです。
タイトルどおり、夜更けに妖しい小屋に迷い込み、そこで繰り広げられる秘密のショーを覗いている。そんな不思議な感覚になる作品でした。
通常営業では見られないであろう、裏BUCK-TICK(?)満載。
裏の顔だけど表。本物だけどニセモノ。変幻自在な彼らが魅せてくれるのははいつだって揺らぐことない『BUCK-TICKの世界』なんだ。
よく知っているはずのBUCK-TICKが知らない顔をしていた。
それは夢か現実か、はたまた本物かニセモノかー。
この謳い文句そのままに、聴きなれたあの曲この曲が、思いがけない顔をして次々と現れては消えていく。そこに小さな画面越しならではの非現実感と、覗いているという背徳感が加わって、夢と現実の境目が曖昧になる。
今回もまた彼らにしてやられました♡
これまでは配信ライブだと、どうしても物理的・心理的な距離感、もどかしさや寂しさ、物足りなさを感じていましたが、今回は一切そんなことなく。画面越しに、どっぷり魅世物小屋の世界にはまり込んで堪能することができました。
こんな風にコンセプトをがっちり固めて、作り込んだ世界観を魅せることができるのは、配信ライブの強みだな!なんてこともと思いました。
MCもメンバー紹介も笑顔もない。それがまた『SHOW』であることを強調して、現実感を薄めていた気がします。
生のライブと、映像作品としての配信ライブ。
どちらもそれぞれの味わいがあって、感動と興奮がある。
生のステージを見る機会が減ったのは悲しいけれど、音楽の新しい楽しみ方が増えたのは嬉しいことかもしれません。
秋から始まるツアーで、また生のライブを体感できることを楽しみに。
期限まで、この一夜限りの夢を繰り返し楽しみたいと思います。
それでは、長々とお付き合いくださってありがとうございました。