雨のような人。
雨の日は、あっちゃんを一層強く感じる。
雨のように、静かな人だった。
雨のように、優しい人だった。
雨のように、儚く笑う人だった。
雨のように、強く激しい人でもあった。
「だった」と過去形で書きながら、それでもまだ私はあっちゃんがいないことを受け入れられずにいる。
……そうじゃない。ただ、もう此処にあっちゃんがいないと受け入れるのが怖くて、信じたくなくて、じたばたしているだけ。
やっと、やっと、曲を聴いてみよう、と思えたけれど、永遠に残り続ける歌声にあっちゃんの不在を突きつけられて、胸が締め付けられる。
この声を、あの姿をもう二度とステージで見ることが叶わないなんて。
新しい曲を聴くことが、もう二度とないなんて。
……たまらない。
あっちゃんの言葉が以前とは違う意味に聴こえて、涙が止まらない。