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ハウスとはなんぞや!
今日もハウスのことを書こうと思います。
というのは、昨日、サインとハウスは別物で、回転の方向が違うということを書きました。これね↓
しかし、よくよく考えてみたら、ほとんどの人はハウスは1,2,3・・・11,12という順番で進んでいくという見方しか知らないんじゃないか、それならば、ハウスの本来の姿を説明しておかねば、話にならないんじゃないかと思ったわけです。前提がわからないと話が通じる訳ありませんからね。
というわけで、まずはハウスの構造について、説明してみようと思います。
ハウスの構造について
ホロスコープにおいて、AcからDcにかけてのラインが地平線になります。
方位的に見ると、Acが東で、Dcが西、Mcが南で、Icが北ということになります。このことについては一般的にどの本にも説明されているので、ご存じだと思います。
これが何を意味するかというと、Acは日が昇る時であり、Dcは日が沈む時という事ですよね。そして、Mcはお昼の12時を表わし、Icは真夜中の12時ということになります。
ここで、太陽の動きをイメージしてみてください。
太陽は東から昇ったら、徐々に高度を上げていき、真南に達したときに、一番高度も高くなります。そしてだんだん低くなって、夕方には西の地平に沈んでいくわけですが、これをホロスコープ上で移動させていくと、どうなるでしょう?
![](https://assets.st-note.com/img/1656131493830-c56Oi8LR5V.jpg?width=1200)
そう、太陽は時計回りで回転しているということになります。
1室にいる間はまだ夜明け前です。ようやく東の空が白み始めた頃と言えるでしょう。そして、まさにアセンダントを越えて12室に入った時点が夜明けであり、日の出のタイミングということになります。
そのまま太陽が角度を上げていくという事は、ホロスコープ上では太陽は時計回りに進み、やがて11室、10室と進んで、お昼になるわけです。ここがMCね。
![](https://assets.st-note.com/img/1656131720574-31VZQTuPEE.jpg?width=1200)
さらに夕方には太陽がDcに迫り、Dcを超えてさらに下がると日の入りということになります。
![](https://assets.st-note.com/img/1656131978716-EXxLtr1cq2.jpg?width=1200)
これらのことを人間の生活に当てはめながら、それぞれのハウスの意味、名前、ルーラーとの関連を考えて、文章化してみました。
ハウスの概略、意味と名前とルーラー
1室
まだ、夢現の状態。外は明るくなり始めてるから、朝が近そう。夢で見たいろんな思いを布団の中でまだ整理しているとき。そろそろ起き出さないといけないとはわかっている。でも、まだ布団を出る覚悟ができてない感じ。今日一日、何をすべきなのか、頭の中で予定を立てたりするかも知れません。だからここは「わたし」の部屋で、ルーラーは土星。サブルーラーであるjoyは水星が当てられています。
12室
夜が明けた。朝だ。今日も太陽が拝めてうれしい。でも同時に朝は忙しい時間です。たくさんの面倒な事をかたづけないといけません。だからこの部屋は「あなたの面倒事」であり、ここのハウスルーラーは金星でありjoyは土星です。
11室
自分の能力を示して、周りの人を喜ばせるとき。そうすることで自分を応援してくれるファン(仲間)を獲得することができる。なので、この部屋は「あなたの喜び」。ルーラーは太陽、joyは木星。
10室
外に自分の居場所を確保するために、挑戦するとき。なので、ここは「あなたの居場所」。ルーラーは火星。
9室
他者の考えを学ぶとき。教えを受ける。他者の知恵から学び、自分自身の知恵とするとき。だからここが「あなたの考え」であり、ルーラーは木星、joyは太陽。
8室
あなたのものを受け継ぐ部屋。財産、ノウハウ、技術などを受け継ぐということ。または他者の財産や才能をさらによりよいものにするためにマネージメントしたり、プロデュースしたりという事も含む。ここは「あなたのもの」であり、ルーラーは土星。
7室
すでに夕方。もうすぐ日が沈むとき。一日の終わりに思い浮かべるのは「あなた」のこと。ここでいうあなたは「彼方」であり、マレビトというようなニュアンスもあるのかも知れない。夕焼けに向かって、神に祈るみたいなことでもあるのかな。ここは「あなた」で、ルーラーは月。
6室
ここではすでに太陽は沈んでいます。人間の生活に当てはめるならば、一日の仕事を終えて、片付ける時間ということになるでしょうか。面倒ごとを片付けるときなので、ここは「わたしの面倒事」、ルーラーは水星、joyが火星。頭を使って、頑張らないと片付けができないから、水星と火星なんでしょうね。
5室
すでに片付けやら何やらが終わって、ようやく自由な時間です。寝る前にいろんなお楽しみをする時間ということになりますね。ここは「わたしの喜び」、ルーラーは金星で、joyも金星。
4室
もう眠りにつく時間です。ベッドルームで過ごす時間とも言えるかも知れません。安心して眠れる場所というのは、自分で作り出す必要があります。だから、この部屋は「わたしの居場所」であり、ルーラーは太陽です。自分の誇りと尊厳をもって作り出した場所だからこそ、安心して眠れるという事になります。
3室
すでに眠っているとき。熟睡中でしょうか。まさに夢の中の世界と言えるかも知れません。ここは「わたしの考え」の部屋。夢はわたしだけの世界で、他者がどうこうすることはできません。しかし、ここで培われるわたしの考えはとても大事なものなのでしょう。これをベースにして、わたし自身をアウトプットしていくということになるのだと思います。だからここのルーラーは火星で、joyは月。火星は打ち出す力、月は記憶であり、意思疎通。
2室
ここは古典的にGate of Hadesと呼ばれていたそうです。これは死の門を示します。ここで一度死ぬということですかね。「わたしのもの」というのは、死んだあとに残していくものということなので、それがお金だとか、才能だとか、その人があとに残せるようなものを表わしているということで、2室の象意につながるようです。
1室
そして、また、目覚めれば、1室に戻り、あらたな日の出を迎えるということになります。
ハウスは一日の生活の流れ
こうして見ていくと、基本的にハウスが表わしていたものというのは、人間の一日の生活の流れを示しているという事になります。
ちなみに、これを人間の一生になぞらえて言葉にしてみたのが、先日の「ハウスを巡ってみた」という投稿です。
まとめるよ
以上のことから、ハウスの進む方向は、1→12→11→10→9→8→7→6→5→4→3→2→1
であり、時計回りというのが本来の姿らしいのです。
しかし、今、一般的に認識されているのは、
1→2→3→4→5→6→7→8→9→10→11→12
と進むという解釈の方が、幅をきかせていますよね。
ハウスとサインの違いは、ハウスの方がより人間の生活に近いところを示し、サインの方が大局的なサイクルを示すというように解釈している人が多いようです。
松村さんの本の中で、僕もその考え方に接し、最初はその方向で読んでいましたが、ハウスとサインは別物ということを知ったあとでは、むしろこれが混乱の元凶になっているのではないかと思ったりしています。
例えば、5室は「わたしの喜び」の部屋なので、ルーラーもジョイも金星です。これは楽しみ、陶酔、快楽という意味で、純粋に遊びとか酔っ払うというような要素があります。
時に、5室は「自己表現」と説明されることがありますが、この「自己表現」は獅子座からきたものであり、あきらかに誤りです。獅子座は太陽ですから、金星の部屋にはそぐわないのです。
また、4室は「わたしの居場所」ですが、これを蟹座と混同して、家庭とか家族としている説明も多く見受けられます。4室は太陽を使って、自分自身で作り出すべきローカルの場所であり、尊敬し合える仲間との場のことを指します。
このあたり、ミカミ・ポーラさんがなんとおっしゃっていたのかと振り返ってみると、最初は彼女も一般的な読み方をされていたそうです。しかし、ホラリーや古典を勉強していくうちに、おかしいんじゃないかと思い始め、本来のハウスの意味を明確にしていったところ、鑑定自体の精度がどんどん上がっていったとのこと。単純に、当たる占いがしたいから、そういう解釈をしているのだとおっしゃっていました。
なるほどと思って聞きながら、これって、当たる当たらないとかいう以上に、もっともっと大事なことではなかろうかと、僕的には思ったわけです。
時計回りのハウス解釈は「わたし」が主役です。わたしの目線ですべてが語られていく世界ですから、ヌーソロジー的には奥行きです。それに反して、反時計回りのハウス解釈は本来のものではなく、サインを劣化コピーしてストーリー化したものであり、その結果は本来の「わたし」を見失うということにつながってしまっているようにも思います。このあたりは引き続き、考察していこうと思います。
おまけ
さらにハウスの解釈にはたくさんの気をつけないといけないことがあるようです。
そのうちのひとつは、ここで書いてきたサインとハウスを混同してしまったという問題ですが、もうひとつが、中世の時代にキリスト教による弾圧が厳しかったので、なんとかその検閲をかいくぐるために、加えた変更というのがあって、それも混乱の原因になっているようです。
その当時は魔女裁判にかけられるよう案件だったでしょうから、致し方なかったかも知れませんが、未だにその混乱が残っていて、曖昧になっているとしたら、残念なことです。しっかりと検証して、本来の姿を取り戻していけたら、もっと素晴らしいモノになっていくのではないかと思うわけです。
このあたりのことは、もう少し調べてみて、また別の機会に書きたいと思います。ではでは、今日はこのくらいにしておきます。(o^^o)
ちなみに、こちらがミカミ・ポーラさんがツイッターで公開されていたハウスの表。
これがハウスルーラーだよ! https://t.co/lSbdTTZrMg pic.twitter.com/EV2Id7cQSK
— ミカミ・ポーラ (@uran_ice) March 4, 2022