Death🏴‍☠️パスワーク

昨日は太陽でしたが、今日はカードの山の上からめくっていって、最初に出た大アルカナのカードということで、3枚目にDeathが出ました。「死」とか「死神」とか言われるカードです。

このカードも何度も何度も見てきたカードですが、何度も見ることで、今では出てきても、特に動揺することなく、ただ何かが終わり、新しい何かが始まるんだなという感じになっています。

むしろ、このカードが出ることで、膿が出せるといいますか、むしろ歓迎するような感覚で見るようになってきています。

カードの意味としては、死、変化、転生、終わり、生まれ変わり、復活など。

そしてこのカードは蠍座なのですね。

どこまでもどこまでも、深く深く掘り進める蠍座だからこそ、とことん探ろうとして、とどめの一点まで貫いてしまうのだろうと思います。下手すると壊してしまうけれども、でもそこまでやらないことには、反転はないのだろうと思いもします。

スローのことについて書いたときに、限りなく細かく微分していったときに、やがて永遠に至り、空間はプランクスケールまで縮むというようなことを書きましたが、どこまでも、限りなく近づこうとしたら、通り越して反転してしまうしかないというような事が、実際にあるのだという気がします。

だから、本当に生きるためには、一度死なないといけないし、死を知らない生はまだ生きてないとも言えると思うのです。

そのためには、吊り下げられ、張り付けにされようとも、恐れることなくやるべきなんでしょうね。死ぬところまでやれたときに、初めて見える世界があるのだと思います。

舞踏は危険と言う人がいるけれど、それは本当のことで、生身の身体で舞台に立つということは、バンジージャンプか、スカイダイビングをするのと似ていると思うのです。

舞踏においては、ある意味、全き死（Grateful Dead）を目指しているのではないかと思うところがあります。時間と空間を超えていこうという訳ですから、そこにあるのは器官なき身体なのです。

器官なき身体は死の世界に入った時の視界と同じかも知れないと思います。宇宙を内在のものとして感じるということと、同義なのだと思います。一度そこに入らないことには、その先の宇宙に進むこともないのだと思います。

よく見ると、蠍（さそり）が描かれています。萎れた花が落ちていて、蛇がいて、魚がいて、空には鷲がいます。

さらによく見ると、人間らしき影が、グルグルと渦を巻きながら吸い上げられようとしているようにも見えます。ここを超えていくということは、死はやはり次元を超えるという意味もあるのでしょう。

そのことがわかると、生きたまま死ぬということも、あちらの世界を見るということも、可能なのだろうと思います。

また、その世界に入るということは、三次元＋時間という意味での四次元ではなく、時間が永遠と化し、空間がプランクスケールにまで縮んだ空間に入るということでもあると思います。それが虚の次元を含んだ四次元ということだと思うのです。

世の中にはたくさんの死が溢れています。ニュース記事を見ると、たくさんの人が、殺したり、殺されたり、自死したりということが書かれています。

ひどい死もありますし、美しい死もあると思いますが、そこに至るまでの間に、いろんな経緯があったこと、そこにたくさんの人生があったことを忘れてはいけないと思います。

仏教的に言うならば、人生は一切苦というのも一理あると思います。どうしようもなく追い詰められる人というのは、いつの時代にもいますし、人知れず死んでいく人もたくさんいると思います。死は恐怖の対象でもありますが、逆に待ち望む人もたくさんいるのです。

そして、どのような死であったとしても、等しく荘厳なものだと思います。ただ大事のことは、死に際して、真っ直ぐ死ねるかということではないかと思っています。

死ぬことを嘆いたり、誰かを恨んだり、自己憐憫に陥ったり、死を受け入れられない状態での死は避けられたらと思います。

死を受けいるれことにコツがあるとしたら、それを人のせいにしないで、全部引き受けて、死を受け入れたら、それは荘厳な死となるのではないかと思います。

そのための予行演習としても、この死のカードは役に立つのかも知れません。そして、もし死を受け入れるということの意味が掴めたなら、その瞬間に次元が変わるかも知れません。

母が亡くなるとき、僕の目の前でなくなりました。病院のベッドの枕元にいた僕は、母が一瞬驚き、何かがプツンと切れた音を聞いたような気がします。

そして、母の目の中にあった光がどんどん落ちていって、届かないところに行ってしまったのがわかりました。

彼女の人生はとても大変なものであったと僕の目からは見えていましたが、亡くなったということを受け入れたときに、よかったなと思いました。

ほんと、あの一瞬、彼女が驚いたように目を開けた次の瞬間、咄嗟に終わりを受け入れたのがわかりました。そして力を抜いてスーッと吸い込まれるように遠いところへ行ってしまいました。心なしか、彼女の死顔は微笑んでいるように感じました。

死を受け入れることは、ある種の諦めでもあり、すべてを委ねるという境地に通じるのかも知れません。自力でなんとかしようとしてあがいてもあがいてもダメだったときに、自力ではない大いなる力を知るということはあると思います。

一度死ぬという比喩はエゴからすれば、一大事ですが、エゴの枠を超えてさらに成長していくためには、あたりまえの機序ということなのかも知れません。

問題は、これを頭で理解してわかったつもりになることと、実際にその境地に達することには違いがあるということかも知れません。

そういう死と言っていいような変化の時というのは、人生の中でも度々訪れますが、その時にこの「死」のカードが現われてくれるのだと思います。

ある意味、「死」はオールマイティとも言えますよね。これが出たら、それまでの自分の殻を脱ぎ捨てましょうという合図な訳ですから、何を捨てるのか、何を終わらせるのか、そこを明確に見いだせたとしたらいいのだと思います。

何度も何度も死ぬ練習ができるのは、ラッキーかも知れませんね。スーッと落ちていく経験は何度でもやっておいて損はないと思います。

そういう意味では、ヨガの死骸のポーズは素晴らしい死の練習と言えそうです。また、舞踏であるとか、瞑想であるとかもある種、死の練習と言えるでしょう。

ひさしぶりにこの死のカードを見ながら仰向けに横になって力を抜いて、目の玉をストーンと後頭部の方向に落としていきながら、やがてどこまでもどこまでも身体が落ちていくのを感じていたら、とても静かでした。

やはり、時々死を思う時間を持つことは大事だと思いました。メメント•モリですね。