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10. 長谷川博一先生…どんな人?

『お母さんはしつけをしないで』が長谷川博一先生との出会い。何年も前に出版された本を私が一方的に読んだだけなのに、先生に自分を理解してもらえたように感じた。自分が子ども時代に経験し、ここまで生きて、母親になって…人生で感じた心のすべてを、理解してくれる人はこの先生しかいないかも…そう思った。

カウンセラーと称する人には、産前も含めればそれまでに8人くらいと話したことがある。でも、こんな感情を抱いた長谷川先生ってどんな人…? ネット検索もしたけれど、具体的に人柄を伝えるような情報には出会えなかった。先生への興味と、子育てのヒント探しのため、何冊か他の著書を読んだ。スクールカウンセラー、大学教授、臨床心理学の専門家、犯罪心理学の専門家…著書によって先生の立場は様々だったけれど、私がイメージした長谷川先生の人物像は一貫したものだった。

賢くて強くてしなやかで優しい。目の前のクライアントがどんな人であろうと冷静に誠実に向き合い、受け止めてくれる。例え何かと対立したとしても、クライアントが心と向き合うのを守るためなら、自分の信念を押し通す…いやぁちょっと、格好良過ぎ…?

先生と実際にお会いできたのは、「こころぎふ臨床心理センター」の集会だった。「著名な長谷川先生がほんとに司会をするのかな?」と半信半疑で向かったが、嘘はなく、先生は飾り気のない人だった。そして、とても物静かで、言葉が少ないことに私は少し驚いた。何度か参加した集会の幾度かは、その冷静な受け答えに、突き放されたと感じることも正直あった。そこは本のイメージと違っていた。けれど「長谷川先生と話したい」という思いはどんどん強くなっていった。

ワークショップ、講座、カウンセリング…と先生に会う機会が増えると、段々と先生のことが分かってきた。先生はいつも「場」に相応しい役割を判断して、ご自分を演じ分けている…? まるで役者のように、その場によって醸し出す雰囲気も人格も違って見える。意図的に見せ方を変えているのだと、凡人の私は気づくまでかなり時間がかかった。

参加者が複数いる場面では、先生は静かな態でいながら、一人一人の様子をつぶさに観察し、心の状態を探り把握し、考えを巡らせて、より効果的で響く言葉を選んでいらっしゃるのだと思う。時折ジョークを交えて和ませてくれるかと思えば、ハッとさせられる言葉で切り込まれることも。不快に感じる人もいるし、私自身でさえ「傷ついた」と沈んだ気分で帰ったこともある。でも、そうやってなにがしかの傷を残し、クライアントの心を揺さぶり、自ら行動を起こすことをじっと待ってくれているのだと思う。経験豊富なカウンセラーが「こっちだよ」と道を示して言うのは簡単で早い。けれど、「自らの心が動き、行動を起こすことの必要性」を先生は知っていて、じっと見守ってくれるのだ。これは先生の子育ての信条とも共通するところだった。

先生はクライアントの心に誠実なカウンセラーである。その印象は、初めて本を読んだ時から、カウンセリングを受けている今でも変わらない。だからと言って、完璧な人ではない。先生自身がおっしゃるように、先生も人間であるからこそ不完全。時には失敗もするし、時には傷つく心の弱さももった一人の人間なのだ。だから私もたまには先生と意見が合わず、「何でそんなこと言うの?」と恨めしく思ったり、反発する時もある。でも、その怒りも受け止めてくれる。先生が言うこと、してくれることは、私を理解し、私の心と未来の幸せを守るためだからこそ、だと私は信じている。

先生はセンター経営者である今も、臨床現場の仕事をとても大切にしていらっしゃる。先生に受容され、依存しきってしまったクライアントが、愛憎ひっくり返ってしまう事象が起こるのも、私には理解できる。親にも自分にも認められなかった自分を、初めて肯定してくれる人に出会えるというのは、そういうこと。私がもっと若い頃に先生に出会っていたら、きっとそうなっていた、と容易に想像できる。

それでも悔しいのは、先生に会った事もない、本を読んだ事もない人たちが、流言を鵜呑みにしてバッシングを続けること。真っ当な活動をしている団体や大学教授までもが、事実も知らずに非難したり、裏垢を使っているだの自作自演だのと何かにつけ騒ぎ立て、無責任な発言を繰り返している。先生を囲んで貴重な時を過ごした仲間でさえ、その悪意の渦に惑わされ離れて行ってしまった。私にはとても腹立たしく悲しいことだけれど、人それぞれ心に抱えているものの問題だから…と誰を責めることもできないでいる。

カウンセラーを選ぶときには相性も重要、とよく言われる。けれど、自分の心と真剣に向き合いたいと思っている人なら、ぜひ長谷川先生と話して欲しいと思う。幸せを感じる人生への道のりは遠く険しいけれど、困難に直面した時も、必ず先生が助け、支えてくれると思うから。

※個人の感想です。正直に、長谷川先生にご迷惑がかからないよう配慮したつもりですが、何か問題あれば再検討します。お気軽にご意見ください。


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