handlename

ぼくらがまばたきをするたびに星が消えているとして、だから大人になればなるほど夜が長くなった気がするって、深夜にやっているラーメン屋できみが言う。夜は暗いから好き、暗いものは包み込んでくれるから。朝も好き、穢れのない少女を下心でみつめるひとの顔で見上げる、青空。願いが願うとして、それがほんとうならば、なぜ彼は死ななければならなかったのかという問いに答えられないまま10代を自らの手で燃やした。すべて実在するからきれいなんだよって言えるくらいきれいなこころの持ち主のひとってきっと性格悪いよね。目的のない優しさは自慰行為でまるで月のように光るけれど、月の光は本物ではない、ぼくはこの星のすべての光の源である太陽になってみたい、そしていつかきみを焼き尽くして愛の証明をそこでやっとするのだろう。残酷な歌詞のところだけを歌って、ぼくは甘いところしか歌わないから。高校生が交わったカラオケボックスでぼくらは平成を再現していた、お墓参りみたいだって思って、夏休みを思い出した瞬間みたいな風が来たと思ったら24度の冷房。透明でない硝子もあるからきっと生きていけるよとなんの根拠もなく出た笑顔をきっとぼくは忘れることなく、生きて、死ぬのだろう。退屈な空白をコピーペーストして全世界にシェアしたら、ぼくのさみしさを誰かがわかってくれるような気がして。きみが眠ったあと、数秒だけ首を絞めてみた。ばかやろ、ぼくはいつまでたってもきみの名前も知らないまま。

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