"請け"現場 その①
ことの発端は私がクリスチャンであり、とある教会の車庫解体を頼まれたことである。
教会から直に仕事をもらったのだが、教会からお金をいただくのが申し訳なく、それでももらわなければ生活もできなく(ないことはないが)、格安でやらせていただいた。
今は鉄の値段が高騰している。解体した車庫を売りに行き、売れた分も全部渡した。
お金は請求したが、業者に頼んだとして、差額で50万くらいの献金ができたかな、と考え、お金をもらったことの罪悪感を拭い去ろうとしていた。
「請け現場やったら、結構いいお金入ったんじゃないスカー!地金代(鉄)も今イイっすもんねー!」
駆け出しの若い同業者が電話越しにそう言う。
「いや、実は、、、」、あーでこーでと、上記の説明をする。
「何やっとるとですか中村さん!!
もらうとこはちゃんともらわなんとですよ!」。
怒られた。
「って怒られたんスヨー」。
次はとある有名会社の会長に言った。
会長はこう言った。
「よかよか。いい仕事した。また次仕事が入ってくる」。
(ふ〜ん、そんなもんなのかなぁ)。
めっちゃ商人(あきんど)の会長に、そんなんでどうすると怒られず、よかよか、と言ってもらえただけで嬉しかった。
車庫の解体を終えて熊本に帰って来たら、仕事がなくなっていた。
焦る中村。
土木の知り合いに電話したら現場があった。
やりたかった土木の現場に入った!
3日で終わった。
パニクる中村。
再び色んな所に電話をしまくり、仕事を探す。
教会に入っていた、外構の業者さんにも緊張しながら電話をする。
実は解体作業中、わざわざ挨拶しに来て下さっていたのだ。
「あー、ありますよ。担当者から連絡入れます」。
そうして担当者から連絡があり、LINEで資料が送られて来た。
「ではこれで、見積もりお願いします」。
、、、み、見積もり⁇
え?これっていわゆる、"請け"ってやつ⁈
そう、"請け"現場は、突然やってきたのである。