子どもの安全チェックリスト
年末年始、帰省や旅行などで子どもたちが自宅以外の場所で過ごすことが多いこの時期、不慮の事故を防いで楽しくすごしたいですね!
子どもの命を脅かす最大の敵は病気ではなく、不慮の事故
子どもの不慮の事故死は、病気を含め全ての死因のなかで上位を占めます。
令和3年の厚生労働省のデータを基に年齢別に見ると、0歳では、死亡原因の1位〜3位は「先天奇形、変形および染色体異常、周産期の呼吸障害等、乳幼児突然死症候群」ですが、「不慮の事故」はそれに次いで4位です。1歳〜4歳では、「不慮の事故」は「先天奇形、変形および染色体異常、悪性新生物(がん、肉腫)」に次いで3位で、「心疾患」より多くなっています。5〜9歳の「不慮の事故」は「悪性新生物」に次いで2位、10〜14歳では、1位「自殺」、2位「悪性新生物」、3位「不慮の事故」となっています。
また、不慮の事故が起こった場所は、0歳の90%以上、1〜4歳の70%以上が、家庭で発生しています。5〜14歳では、不慮の事故に加えて、海や川など屋外での事故が急増しています。
【子どもの安全チェックリスト】
①窒息👶
乳児では不慮の事故の死因の80%近くが窒息によるもの。
乳児期、ベビーベッドの上にタオル、スタイ、ビニール袋、ぬいぐるみ、紙おむつ等を置かない。
柔らかい布団やベッドにうつ伏せに寝かせない。
かけ布団を顔に深く掛けない(枕カバー、シーツ、ふとん、紙おむつなどで事故発生)。
ビニール袋をかぶって遊ばせない。(吸い込んで呼吸困難に)
電気コードや長いひも状のもの、ブラインドのひもなどで遊ばせない。(首に巻きつく事故発生)
おつまみのピーナッツ、枝豆、イクラ、アメ玉などを手の届かない所に置く。
②誤飲💊
子どもの口に入る大きさ(3歳児で直径約39ミリ)の物は手の届かない所に置いておく。
鼻、耳、目に異物が入る事故も起こっているので注意。
特に注意したい物:タバコ、吸い殻(空缶に入れている場合も)、ボタン電池、薬(帰省先祖父母の常備薬を含む)、コイン、化粧品、洗剤(1回分パック状を含む)、トイレや風呂場に直置きされた洗浄剤、石けん、殺虫剤(床に置きタイプ含む)、防虫剤、乾燥剤、マッチやろうそく、マグネット、包装用プラスチック、シール、紙類、細かいおもちゃ、クリップ、押しピン、碁石、スーパーボール、こんにゃくゼリー、お餅など。
誤飲した時の対処法: 誤飲したものが危険性の少ないもので、以下の「吐かせてはいけないもの」以外なら、「ますは吐かせる」ことが大切です。また、 ちまたの噂で「牛乳を飲ますといい」と言われがちですが、かえって毒物の吸収を早める場合もあるので一律に考えるのは危険です。
「吐かせてはいけない場合」: 1) 揮発性物質の誤飲(灯油、ガソリン、ベンジン、除光液など)、2) 強酸、強アルカリの誤飲(漂白剤、トイレ用洗剤など)、3) 意識障害がある、けいれんしている、唾液や吐いたものに血が混ざっている、とがった物を飲み込んだ時。
詳しくは、日本中毒情報センター( http://www.j-poison-ic.jp)でご確認ください。
③溺水🧼
1歳および3歳児では、「窒息」より「浴槽で溺れる」ことによる不慮の死亡事故の割合が多くなっており、2歳児でも「窒息」とほぼ同率で溺水事故が起こっています。
お風呂場に鍵をかける(大人が電話に出てた隙に溺れる事故発生)
お風呂の残し湯をしない。(子どもがおもちゃを浮かべて遊んでいるうちに浴槽に転落して溺れる事故発生)
子どもと一緒に入っている時は絶対に目を離さない。(大人がシャンプーしている間に溺れる事故発生)
トイレの便座とフタをロックする。(子どもがのぞき込んで頭から水に落ちないように、大人が見守る)
④転倒、転落🤕
玄関マットは滑り止めをつける。
玄関の段差や階段の上下にベビーゲートをつける。
赤ちゃんを抱っこしている時は、段差や家具の角などに気をつける。(抱っこに慣れない家族が抱っこして階段を降りている時に赤ちゃんが急に動いたため、バランスを崩して大人と一緒に赤ちゃんも転落してしまう事故発生)
子どもが手におもちゃを持ったまま階段を上り下りする際は、足もとがおろそかになりやすいので注意。
ベビーベッドの柵をする。(寝返りをうてるようになると転落事故が増える)
高さ30センチ以上のソファに寝かせたり、イスに座らせたら目を離さない。
赤ちゃんは体に対して頭の割合が大きくバランスを崩しやすいので、欲しいものや興味を持ったものを触ろうと何かに登ったり足をかけようとした時に転倒するケースが多いです。
ベランダに1人で出ないようにカギをかける。(ベランダに置いてあった椅子に登り、転落事故発生)
ベランダに踏み台になるようなビールケース、新聞紙や雑誌の束、プランターなどを柵の近くに置かない。
⑤火傷🔥
子どものやけどの半数以上は0〜1歳児で、その8割以上が居室、台所で発生しています。やけど防止として、やけどをしない程度の熱さのものに触らせて「あっちっち」「あついあつい」などと感覚を教えてあげてください。そして、熱い物を指して「これはあっちっち」と言って、触ってはいけないことを繰り返し伝えましょう。自分から「あっちっち」と言うようになります。
子どもの皮膚は薄いため、重いやけどになる傾向があります。また、低温やけどにも気をつける必要があります。
特に注意するもの: 出来たてのみそ汁、麺類、シチューなどの調理食品、アイロン(電源を切ってから45℃に下がるまでかかる時間は製品により39分〜103分と幅があります)、炊飯器の蒸気吹き出し口、沸騰している鍋やヤカン、オーブントースターの表面、ポットのお湯、飲みかけのホットドリンク、花火(やけどのほか、打ち上げ花火が目に直撃して失明する事故発生)
⑥指詰め、切り傷
ドアのちょうつがい側の隙間をカバーする。(開いたドアのちょうつがい部分に手をおいて靴を脱いでいる時にドアが閉まり指を骨折する事故発生)
ドアが急に閉まらないようにする。風の強い日は特に注意する。
カミソリなどを洗面所に置きっぱなしにしない。
包丁などの刃物やハサミ、カッター類は手の届かない所に置く。
⑦その他
ドラム式洗濯機にドアロックをかける。
お箸や歯ブラシ、フォーク・スプーンなど、棒状のものをくわえたまま歩いたり走ったりさせない。(口の中に刺さって脳に達する事故発生)
以上、厚生労働省「人口動態調査」「令和4年度子供の事故防止に関する関係府省庁連絡会議」「京あんしんこども館、子どもの事故防止実践マニュアル」参照。
子どもの安全についての注意点、いかがだったでしょうか?子どもの成長スピードは思いのほか速く、昨日届かなかった場所でも今日は届くようになっている場合も少なくありません。折に触れて再点検しながら、安心安全な環境で子育てを楽しみましょう!
《おすすめ情報》
✴︎東京都福祉局「乳幼児期の事故防止学習ソフト」
→パソコンやスマホで「危険だと思うものを、クリックしてください」などの問いに答えながらゲーム感覚で年齢別に危険箇所などを学べます。DVD貸出あり。
✴︎京あんしんこども館(京都第二日赤救急救命センター横)
→子ども保健医療相談、子ども事故防止センターの見学・体験もできます。
では、皆さま最後までご覧いただきありがとうございました。これからもnoteブログ、アンジェラの子育て相談室ホームページ(https://agela.hp.peraichi.com)、X (旧ツイッター)@angela_chizuru、YouTubeなどで情報発信していきますので、2024年もどうぞよろしくお願いします。