満たされるもの満たされぬもの

刻一刻と迫ってくる。
いや、迫ってくるのではなく、己によって攻めているのか。

嫌われているのではなく嫌われていると思いたいのだろうか。

人生の一区切りをつけるべきかどうか
悩んでいる。

世界線は一つだったのに、もう一つ現れた。

私は何か望んでいたわけではない。
もう一つの世界線に繋がる場所に
なんとなく押し出されただけであった。

新たな扉を目前にして、私は私自身の
解放を行なっていた。

たくさんの洗脳を自分自身にしてしまっていたことに気付く。

人間慣れっ子だ。
どうやってこんなに当たり前のように洗脳してしまうんだろうか。

私は私自身になろうとしていた。
取り戻そうとしていた。

鳥籠の中の鳥は飼われ続け
檻の中にいたんだ。

飼い主はそういう風に私を見ていた。
本人が口にして言っていたこと。

私はだんだん笑わなくなっていった。
笑うことを忘れて…
自分自身の中にあったはずの
魅力みたいなものを失い
忘れ続けていく日々だった。

心の扉に鍵をかけ
不必要な感情の揺れが発生しない様に
閉じ込めた。

自分を愛することは難しい。
まずは自分を愛すること…なんて
言葉が存在していて
その通りだと思って疑わなかった。
そんな言葉はある意味
綺麗事だった。

大切な人に愛を注がれて
自分を愛することを思い出した。
十分に自分は自己愛を持ち得るに足る
人間だと思っていた。
あれは間違いだったんだ。

今ならわかる。

自分を愛すること…
それは相手に美しい…と見られたい意識。
自分を愛すること…
愛しい相手のことを考えるだけで心満たされる感覚。
自分を愛すること…
それは気づいたら笑顔が増えているということ。

自分を愛するなんて
自発的にするもんだと思ってた。

自分は間違ってた。
愛されることで、愛の感覚を知り
思い出し
ますます愛されたいと自然と努力する
姿のことだったんだ。

まずは自分を愛する?

いやいや、そんなに簡単に言うけど
簡単じゃない。

彼に出会う前と今の自分
明らかに違う人。別人だ。

自己愛だけではこのような
変貌は遂げられなかっただろう。

いまの環境で感じる愛はいくつかある。

しかしもう
タイムリミットが近いと感じる愛だ。

私はこの数ヶ月
今の生活を捨てるイメージを何度も描いた。

お別れ。
新しい未来。

ぶつかり合ってより良くなっていく
未来などなかった。
ぶつかり合いには疲れた。

自分自身の存在価値に
疑問を抱き始めたときから
潜在意識では考え始めていたのかも知れない。

離婚なんて
恐ろしい言葉だけど
どんどんリアルになっていく。
他人事じゃないんだな…と
意識が強くなっていく。

リアルでいいんだ。
終わらせないといけないと
思った自分が正しいと信じたい。

破壊したりするのは好きな性質だと
思っていたが
こういうときに思い切りがなくて困る。

決定的な出来事が起きるのを待つ…

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