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ムーンビームス/ビル・エヴァンス

ムーンビームス/ビル・エヴァンス
}#私のプレイリスト

まだ音楽を聴く主流がCDだった頃、どこで知ったのか忘れてしまったが、輸入盤でビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビィやビレッジバンガードのライブ録音盤は聴いていた。

当時、大手の輸入盤CDショップに行く途中に、ジャズ喫茶があるのを見つけて、気にはなっていたが、スタバとかドトールとかのチェーン店のガラス張りの店づくりと違って、ジャズ喫茶店の中の様子が分からないのだ。

また、こちらもジャズの王道のマイルスや、ボーカルとかは全然聴いていなかったのです。

(今も王道のジャズの名盤と呼ばれるものは、あんまり聴いていないのです。ボーカルものは今だに聴けていないです。

ドイツのECMレーベルはよく聴いていましたが、とにかく自分の気に入ったものしか聴いていないので、純粋なジャズファンではないかもしれないのですが、マイルスは何故か晩年のライブ盤は聴いていた。)

自分みたいな初心者がジャズ喫茶店に入っても大丈夫なのだろうか?
店主から「好きなミュージシャンは?」とか聞かれたシーンを想像したりした。

ECM時代のパット・メセニーはよく聴いていたし、メセニーは1980年代初頭からギターシンセも導入していたこともあり、ポップやロックを聴いてきた身としては聴きやすかったので、
「パット・メセニーです」と答えたら、カウンターの奥から灰皿とか飛んでこないだろうかとか、やはり、「コルトレーンです」とか答えないといけないのだろうか?とか割と真面目に思っていたので、なかなか店に入れなかった。
(その後、コルトレーンは「至上の愛」だけは聴いた。凄かった。)

話はだいぶ脱線したが、なんとかその後、ジャズ喫茶には入店し、ある日、
ビル·エバンス·トリオのムーン・ビームスをお店のかたが掛けてくれた。

ほんとに繊細な演奏と曲で、今聴いても、エヴァンスいいわぁとなる。
リラックスしつつも頭の中がクリアになっていくような感じ。鎮静しつつ明晰になっていく。矛盾しているような感覚が自然に一体となっていて、これは何なんだろう。

晩年のエバンスは、うって替わったようなハードな演奏が多い印象ですが、
ムーンビームスは静かな演奏が多かったと思う。

喫茶店のJBLの大きなスピーカーとコーヒーに対峙して音楽を聴いておりました。LPレコードも多かった。

ジャズ喫茶で音楽を聴き、コーヒーなど飲みつつ、日々の鬱蒼とした心を解いたり、いろいろな想いを巡らせたりする時間は貴重でした。

今は、ストリーミングがメインになり、CDを人前で出すのが恥ずかしい雰囲気さえありますが、当方も下手をすると、スマホで音楽を聴いていたりするので、簡便さと同時に、何か大切なものを引き換えにしているのかもしれません。

ちなみに、ジャズ喫茶のカウンター奥からは、もちろん灰皿は飛んでこなかった。店の人たちはとてもやさしかった。
そして、いろんな曲を聴かせてもらった。

The Bill Evans Trio - Re: The Person I Knew (Official Visualizer)


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