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母と、私の反撃日記 10
闘志に燃えていた私への母の返事は、情けないものだった。
『自分だけが苦しいと思わないで下さい!私の苦しみも分からないのに、自分だけ被害者意識を持たないで下さい!
そんなあなたを変えるのは親の役目なのです。あなたの周りの人達は、外面のよいあなたしか見てないからあなたを応援するのです。あなたのその本質を変えないといけないのです!』
悲劇のヒロインぶるのは、いつだってあなたじゃなかったのか。私は、いつだってそれに振り回され、謝ってきたつもりだったが違ったのか。そもそも、そんなことも、分かってないのか。考えることをやめたくなるような言葉が並ぶ。
「別に苦しいとかではないですよ。ただ、いつまでも同じことを繰り返す意味ありますか?って聞いてるだけですし。はっきりさせたいんですよね。何が嫌なのか全く伝わって来ないので。」
『こちらだって同じです。だからしつこくメールしているのです。あなたが一人で生きていくという事です!』
「だから終わりましょうって言ってるんです。一人で生きて何が悪いんですか?」
同じことの繰り返し。客観視できない私は、また同じループに足を踏み込む。
『終わりません!あなたが変わるまでは!人は一人では生きていけない。なぜそれがわからないのですか?』
「別に一人ぼっちで生きていくわけではないですよ。人に支えられて生きているんだし。自立したいんですよ。自分でお金を稼いで生活を回したい。」
『お金を稼ぎたいのは、良くわかります。ただ、今からではいい会社には出会えないですよね。焦って入れるところに入ることほどリスキーなことはありません。だから、1年間広い目で見直す事を進めただけですが。』
私からしてみれば、そんなことを言って、一年後彼らの言う”いい会社”とやらに入れなければ、また同じことの繰り返しになることを確信していた。それならば、さっさとこの人達の引くレールから外れた方が、よっぽどいい人生を送れると思っていた。
「だから、それは嫌だと言っているのです。働きたいので。」
『それが何故、私ののいいなりと思うのかが分かりません。焦るといい結果は出ません!それは言い切れます。1年間、海外にでも行ってそこで働けばいいじゃないですか?』
私の人生を勝手に決めるな。
他人の人生を勝手に決めようとしていることも、自覚できていないような人が母親面していることに、怒りを感じていた。
「嫌だと言っているのにしつこく言ってくるからですよ。今、海外にいく気はありません。焦ってはいません。じっくり探すつもりです。以上です。」
『何故、海外というかは、あなたの性格が分かるからこそ言ってるのです!そんな態度が意固地になってるといっているのです!』
「あなたの性格が分かってないから変えようとしているんですよね?」
『あなたは日本でよりも海外で活躍出きる!私は自信をもって言えます!』
頻繁に海外に行って働いているわけでもないのに、何を自信を持っているのか。意味不明だ。海外に行くお金だって、満足に出せる家庭ではないだろう。これで、日本に帰ってきて、”いい会社”に入らなければ、また、お金かけたのに・・・!とか言ってくるのだろう。
私はそこまで考えて全てを見るのに、なぜこの人たちには見えないのだろう。
「今の私が変だと言って、変えようとしているのに、分かるから、なんて意味不明ですよ。分かってないからこんなことになっていること、理解できないんですか?意固地になっているのはお母さんですよ。どうでもいいですけど。」
この言葉が、どれだけ私が母を突き放しているか、きっと理解できないのであろう。いくら言葉を発しても、家族であれ、所詮他人である他の人を完全に理解することなど、できないのだ。
それなのに、それが家族だと、当たり前にできると思っている。
なぜ、人間関係というものを根本から理解できていないのだろう。
なぜ、いつだって完璧を求めるのだろう。
なぜ、純粋に、私を愛して、居てくれるだけでいいと、言ってくれなかったんだろう。
私が欲しかった言葉は、愛してるよ。
ただその、5文字だけなのに。
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