夏が毎年やって来る限り 私はあの頃の夏をいつだって思い出せる
遥か遠く海の深底に沈む楽園の地 その重さは計り知れない 脆さ儚さ全てを抱えここに来た 信じるものなどなにもなかった 好きなものさえも 見せかけの透明衣に隠して 移り変わる情景に目が離せなかった 弾け飛んだ真珠を飲み込んで 生み出したものは
私は誰の事も好きになれないんだと 素直に心を差し出して 優しく受け取ってくれるような ぎゅっと優しい手のひらに包まれたい
何も考える間もなく自然と車の助手席に乗り込んだ。 そっと目を閉じて扉が閉まるとともに身体を解放し、 何かから追われていたような重たい荷物を下ろすように一息をついた。 運転席に座っている彼が近くにいた車が移動しやすいように器用にゆっくりとハンドルを回していた。 「親切だね。」 彼は黙って真っ直ぐを眺めていた。 私は彼の事を何も知らない。 何も知らないけれど謎の安心感が確かにそこにあった。 温度も感じないコンクリートの建物の中で気付けば身体が密着し後ろから抱きしめら
抹茶とほうじ茶 混ざり合うと深みのある味が広がり 少しの苦さが愛おしい ベビーカステラを添えて。 抹茶は大人しくて苦そうに見えて苦い。 本人はそんなつもりないから優しさで包み込むけど 苦さが滲み出てて、不快な感じではなく優しい苦さ。 ほうじ茶は言葉では表しづらく特徴を挙げられない 誰にでも寄り添える地味な一般人 でも居ないとなんか寂しい。 このふたつが混ざり合い調和することにより 安定感が生まれ無くてはならない存在となる。 冷たくひんやりとしたアイスに ベビ
あっという間の二週間だった。 これほどまでに真剣になれる出来事は もう起こらないと思っていたから。 あなたが残していったひとつひとつを思えば 全てが尊くて必要で 終わりは呆気なく 早々と通り過ぎていくものだと思っていたけど こんなにも一分一秒あなたと過ごせる一瞬を 大切に紡いでいくことで 確かに二週間という期間は早すぎたかもしれないけれど どれもが大事で充実した 短く長いあなたと過ごした日々でした。 明日からは 私たちの目に届かない場所で生きるあなた
失ったまま時間が止まったものを 追いかけ続けた経験はあるでしょうか