痩せたよね 2

15.カフェデートには違いない。

またもや、2〜3年振りの友人に会った。
今度は男。
高校時代からの親友。

大昔からよく知ってる同士というのは恐ろしいもので、20メートルくらい手前からでも、
「あ、いる！」
と一瞬で見抜く。少々の群衆の中でも瞬時に見抜いてしまう。恋人同士なら、やっぱり彼の姿はすぐにわかるのよね。とニヤニヤするのだろうが、もう何十年も知っていると、
見つけた途端
わ、見てしまった…
となる。

今回3年振りの再会の場所はとあるカフェ。
駐車場に乗り入れたとたん、見つけてしまった。待ち合わせなのに、
「いるやん…。」
と思ってしまう。

なら、会わなきゃいいと思いますよね。

その通り‼︎

ま、これはお互いの生存確認というやつです。

あ、生きてた。とわかれば十分。
でも、せっかくなのでお茶でも☕️

男、ここでは「K」としておきましょう。
店内は嘘みたいに空いていて、私がクーラーの直風を避けてウロウロと席を決め、ようやく座ったら、Kが「甘いもん止められてんねん。けど、そうなると食べたいよなぁ。」なんて、独り言みたいに言いながら、メニューをあちこちめくっている。「あと、5キロ痩せなあかんて医者に言われてんねん。」と、どこかで聞いたようなことを口走る。

Kといると私は無口だ。
Kの話が聞きたくて…、ではない。
Kがおしゃべりなので口をはさむ余地がない。そして、挟みたいとも思わない。
むかーしからの年季の入った茶飲み友達同士は、ボーッと互いの顔を見て、元気そうやね、と思えばもう満足。おそらくKもそう思っている。けど、しゃべる、しゃべる。高血圧に糖尿、胃も肝臓もあかん…。
次は、仕事の話。今年はコロナのせいでたくさんのイベントが中止になって、全然仕事にならないと。Kは広告代理店さんです。
そこから、税金の話になって、あれこれしゃべって、ほな帰ろか。

ここまで、読んでくださった方の中には、
Kさんが白馬の王子様なのでは？
なんて、ロマンチックなことを想像している方もおられるかもしれませんが、
決してそのようなことはございません。

王子様にも
お馬様にも
失礼でございます。

ちなみに、この日はKの誕生日。
なので、わたくしがおごって差し上げました。

2日後、このようなメールが届きました。

「先日はごちそう様でした！
駐車場で、久しぶりに見た時思ったんやけど
だいぶん、痩せた？」

2日後かい！